他社との交流で、具体的なナレッジ共有も

 丸井グループは男性育休の取得率向上にも力を入れており、2019年の男性育休取得率は126%(※)。高い取得率を実現するための「意外な秘訣」も語られた。

 さらに山崎さんによれば、同社はすべての研修や会議への参加、職種変更の申し出を「手上げ制(立候補制)」としている。「立場や役職に関係なく、希望した人の中から選ばれるので、フラットな立場で議論ができる。参加者が職場に戻った後、明らかに成長しているのが分かるため、立候補者は後を絶たない」(山崎さん)という。

 強制的、やらされ感、上意下達……といったネガティブな研修ではなく、自主的に楽しく参加できる研修へ。内容を工夫するだけでなく、社員が自ら参加したくなるよう企業風土そのものを変えていく。丸井グループのこうした取り組みに対して、参加者からは「非常に参考になった。自社でも取り入れたいが、どうすればいいか」「経営層はどの程度関わっているのか」「管理職手前の女性をどうエンパワーメントすればいいか」といった質問が次々と寄せられた。

 勉強会の後半では、参加者が少人数のグループに分かれ、自社で行っている研修の内容や、抱えている課題を共有した。各グループでは参加者の1人がファシリテーターを務め、最後に全員に向けて内容を発表した。参加者からは「うちの業界は遅れていると実感した」「他社の具体的な取り組みを聞けて、大変参考になった」「当社にもまだまだできることがあると知り、改善点も見つかった。引き続き励んでいきたい」などの声が聞かれた。

 先進企業の取り組みを聞くだけでなく、同じ悩みを抱える他社の担当者と意見交換を行うことで、学びを深める時間となった。

「日経ウーマンエンパワーメントプロジェクト」に加盟している各企業から、役員や人事担当者が参加できる勉強会「Input&Networkセッション」の様子。上段の左から2番目が、講師の丸井グループ 人事部 ワーキングインクルージョン推進担当の山崎美樹子さん
「日経ウーマンエンパワーメントプロジェクト」に加盟している各企業から、役員や人事担当者が参加できる勉強会「Input&Networkセッション」の様子。上段の左から2番目が、講師の丸井グループ 人事部 ワーキングインクルージョン推進担当の山崎美樹子さん
※2019年の男性育休取得率は、2019年の男性育休取得者数÷2019年に配偶者が出産した社員数×100で計算。丸井グループでは子どもが最長3歳になるまで育休を取得でき、2018年以前に生まれた子どもの育休を取っている社員がいるため、数値が100%を超えている。

文/久保田智美(日経xwoman編集部)

【日経WEPコンソーシアム】
日本経済新聞社・日経BPは、2020年春に「日経ウーマンエンパワーメントプロジェクト(WEP)」を始動させました。ジェンダー平等は日本の組織の成長に不可欠との信念を持ち、実践しているキーパーソンにインタビューしています。さらに、大型イベントの開催、勉強会&ネットワーキング、国連機関のUN WOMENとの連携など、当コンソーシアムで発信しています。ぜひこちらのサイトをご覧ください。