人事評価にもD&Iに関連した項目を設置

 採用における男女比や、会議に参加するメンバーの男女比をそろえるなど、さまざまな取り組みを行っているが、中でも特徴的なのは、人事評価においてもD&Iの発想を組み込んでいる点だ。

 「Googleの人事評価には、WHAT(何を達成したか)とHOW(どのように達成したか)という2つの側面があります。特にHOWの点で、多様な意見を尊重したかや、いろんな人を巻き込めたか、インクルーシブなアプローチを取れたかどうかが重要な評価ポイントになっています

 マネジャーの評価には部下からのフィードバックもスコア化されて含まれており、社内外でD&Iの活動に関わったかどうかも高く評価されるとのこと。

 「昨年来のパンデミックもあり、変化の時代に必要なのが多様な人材を力に変えること。まさにD&Iが日本に必要な力であり、喫緊の課題です」と岩村さんは分析した。

心理的安全性は、甘えや褒章、従業員特典などではない

 続いてGoogle Partner Plex Tokyo 統括の金杉美笛さんが、「心理的安全性があり、偏見のないチームの作り方」についてレクチャーをした。

 心理的安全性がないチームでは、ペナルティーへの恐怖から、失敗やリスクを隠しがちになり、より大きな事故を起こす可能性が増してしまうという。また表面的には従っているように見えても心からの賛同が得られず、リーダーの推進力が結果的に弱まったり、現状を維持しようとしたりする惰性が働き、本来目指すべき成果に全員がコミットしづらくなるなどのデメリットもあるという。

 「よく、心理的安全性のある組織は、仲がいいだけの『ぬるま湯』になってしまわないか? という質問を受けますが、これは明確な誤解です。心理的安全性は、甘えや褒章、従業員特典などではありません」と金杉さん。心理的安全性を最初に提唱した、ハーバード・ビジネススクールのエイミー・C・エドモンドソン教授の言葉を引用し、「心理的安全性は、お互いに意見をぶつけあい、健全な摩擦を恐れないために、なくてはならないものです」と強調した。