2021年9月14日に開催した日経ウーマンエンパワーメントコンソーシアムのInput&Networkセッションのテーマは、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)。従業員の多様性を尊重しアンコンシャス・バイアスを最小化するさまざまな施策について、アマゾンジャパン コーポレート人事本部ディレクターの上田セシリアさんに詳しく解説してもらった。
ミッションである「地球上で最もお客様を大切にする企業になる」ことを目指す上で、DEI(Diversity、Equity、Inclusion)を重視するAmazon。なぜなら、世界中に何億人もいる、性別、人種、文化、宗教など多様な価値観をもつ顧客のニーズに応えるために、従業員の多様な議論が生まれるイノベーションが必要なのだ。
ダイバーシティ(多様性)の観点では、一人ひとりが持つそれぞれのユニークな経験、スキル、視点、文化の組み合わせを大事にしているという。「社員が、自分自身が経験したこと、思っていること、感じていることをそのまま会社にもってきてもらうことを大事に考えています」と上田さんは話す。
エクイティ(公平性)では、機会への公平なアクセスを目指して多様な従業員一人ひとりに合わせた仕組みや人事のポリシーがある。車椅子フリー、ジェンダーフリーのトイレを設置したり、在宅勤務で必要な人にはホームオフィスの環境整備のサポートをしたりしている。
また、インクルージョン(包括性)は4つの要素で定義されている。Valued(必要とされていると感じること)、Trusted(チームメンバーが信頼し合う)、Connected(チームがお互いにつながる)、Informed(情報を共有できる)。この4つを満たしてはじめてインクルージョンが達成されるとAmazonでは考えている。
DEIを実現するにはトップのコミットメントがもちろん必要。さらにアマゾンジャパンではすべての従業員がリーダーであるという認識で働いているので、それぞれが率先してロールモデルとなっている。リーダーの行動の指針となる16項目のリーダーシップ・プリンシプルが社内に浸透しているのだ。
中でもダイバーシティについて重要な項目として「Are Right, A Lot」多様な考え方を追求し、反対意見に対してもオープンになることや、「Have Backbone; Disagree and Commit」同意できないなら安易に妥協せず敬意をもって異議を唱える、そしてやってみようと合意したらコミットすること、などを挙げた。