レジリエンスで重要なのは「底打ち」と「立ち直り」
誰しも逆境に直面したときは気持ちが落ち込み、意欲や充実感が低下するもの。落ち込んでいく気持ちをストップさせる「底打ち」を早めにすることと、そこから気持ちを元の状態に回復させる「立ち直り」がスムーズに進むことが、レジリエンスの重要な要素だ。
早く「底打ち」するための4つの行動
ネガティブ感情を早く「底打ち」するには、ストレスを次の日に持ち越さないこと。そのためには上手に気分転換し、しっかり睡眠を取る。「運動や音楽、ヨガ、日記を書くといった気晴らしには、実験などで効果が確かめられている。自分に合うものを見つけて」。
【運動】
エクササイズ、ダンス、スポーツ など
【音楽】
音楽鑑賞、楽器の演奏、カラオケ など
【呼吸】
ヨガ、速足の散歩、瞑想 など
【筆記】
日記、手紙、手帳 など
+その日のうちに行動する
+なるべくよく眠る
レジリエンスを高めるために心がけたい4つの習慣
レジリエンスを高めるには、日々、ポジティブな感情を蓄積することが大切。自分がいかに幸せかを意識的に考えるクセをつけよう。
同時に、いざというときに心のうちを吐露できる環境づくりも必要。そうした習慣が、逆境からの立ち直りを早くしてくれる。
1.話を聞いてくれる友人を持つ
ひとりでネガティブな感情を抱え込まないためには、誰かに共感してもらうことが力になる。ニュートラルな立場で話を聞いてもらえる友人を、意識的につくっておきたい。目標は5人!
2.感謝する気持ちを持つ
自分のなかにポジティブな感情を蓄積するには、感謝の気持ちを持つのが一番。人からしてもらったことはもちろん、平穏に暮らせていることや人との出会いなど、小さな幸せに目を向けて。
3.先のことを考えすぎない
先のことを考えすぎると、してもいない失敗や未来に対する不安が膨らむもの。まずは、今に集中! どうしても不安が払拭できないときは、「心配は少し後に」と一呼吸置くといい。
4.人に頼ることを恐れない
負担をかけるのは申し訳ない、と人に頼れない人は改めてみよう。「相手は自分が必要とされることで自己肯定感が高まり、お互いポジティブな気持ちになれます。怖がらずに頼ってみて」。
ポジティブサイコロジースクール代表

取材・文/武田京子