脳が自然に悪習慣をやめたくなる4メソッド
前頭葉の中では、2つの回路(ぼんやり脳・デフォルトモードネットワークと反射脳・ワーキングメモリネットワーク)が争っている。ぼんやり脳を活性化し、反射脳をダマす方法を試してみて。
1. レコーディング法
2. 儀式スイッチ法
3. ビッグマウス法
4. 想像法
1. レコーディング法
悪習慣を行った時間を3色ペンで記録する方法で、反射脳をうまくダマすメソッドだ。
例えばスマホ依存をやめたいなら、スマホを使った時間を全てノートに記録する。記録を見返すと、やりすぎがはっきり見えるので、きっとみじめな気分になるはず。
スマホを使うことを「みじめ」と感じられるようになれば、不快を避ける性質がある反射脳も、スマホ依存をやめたがってくれるというわけだ。また、「書くのが面倒だ」と不快に思えば、「書くくらいならスマホもやめる」という感情も生まれて大成功!
〜スマホ利用記録の例〜
7:00〜7:05 LINEチェック
7:05〜7:10 ニュースチェック
8:00〜8:30 電車でSNS
など……
記録は3色ペンで。まず黒で書き、ムダな時間だったら赤でマルを、必要な時間だったら青でマルをする
2. 儀式スイッチ法
反射的に行ってしまう習慣に、別の「儀式」を組み合わせる方法で、ぼんやり脳を活性化するメソッド。
例えば「スマホを見るなら、その前に皿洗いをする」と決める。この儀式は体を動かす単純作業にすることがポイント。スマホを見始める前に、体を動かしながらぼんやりする時間を挟むことで、ぼんやり脳が活性化。脳が我に返って「スマホはやめておくか」と思いとどまりやすくなる。
〜組み合わせる儀式の例〜
□その前に皿洗いをする
□その前に机を1分間片づける
□食べるなら屋上に行く
など……
3. ビッグマウス法
「○○はやめる」と周囲に宣言する方法で、反射脳をうまくダマすメソッド。
例えば「私はもう会社でお菓子を食べない!」「タバコは一生吸わない!」などと、周囲に公言する。こうすると、つい悪習慣を行ってしまえば「恥ずかしい」ことになる。恥ずかしいという「不快」を避けたくなる反射脳をうまくダマし、自然と悪習慣をやめたくなるように仕向けるのだ。
4. 想像法
やめた後の自分を強くイメージする方法。これは、反射脳をうまくダマし、ぼんやり脳が活性化するメソッドだ。
ただ「やめなきゃ」と考えるのではなく、「空いた時間で1日30分英語を勉強して、1年後にはペラペラになって……」というように、「やめたらこんなすてきな自分に!」という大げさなイメージを思い浮かべる。イメージだけで脳は実体験のように感じるので、やめる努力が「快」に。イメージをノートに書けば、手を動かすことでぼんやり脳も活性化しやすい。
おくむらメモリークリニック理事長

取材・文/臼田正彦 写真/川柳まさ裕