星さんが提唱する未来の記憶をつくって夢をかなえるメソッドを聞いた。順を追って見ていこう。
1.未来体験シートで目的地を明確にする
明確な目的地を設定できれば、脳は自動的にそこに至る道を探して動き出す。目的地を決めるために役立つのが「未来体験シート」だ。まず5年後に夢がかなっている自分を完了形で書き、逆算して半年後の自分まで書く。「そのうえで、それをかなえたい理由も明確にイメージします。自分が納得する理由なしには脳も動きません」
【Point】
□完了形で書く
「したい」「目指す」などの未来形ではなく、「もう実現した」という完了形で書く。未来形では、脳は「まだ実現していない」と認識してしまう。
□測定可能な内容にする
「幸せになった」など、実際にそれがかなったのかどうかを検証できない記述ではイメージができないので、明確に測定可能な内容にする。
□肯定形で書く
例えば、「たばこは吸わない」という否定形の目標を脳はうまく認識できず、むしろたばこを意識してしまう。「ノンスモーカーになった」ならいい。
2.「将来自分がいる世界」を実際に見に行く
→「将来の自分」に感動することで今の自分を変える行動が自然に起きる!
「将来の夢」を脳にとって重要と認識させるには、それを「感情と結びついた記憶」にすればいい。「例えば『お金持ちになる夢がかなったら住める高級マンション』に内見に行って感動すれば、その感動を忘れられずに、今の現実のほうに違和感を覚えるようになる。そうなれば、脳は違和感を解消しようと勝手に動きだします」
3.将来の自分に対して「インタビュー」を行う
「夢がかなった未来の自分になり切って、誰かからインタビューを受けるというワークをすれば、自宅にいながら未来を『体験』できます」。ひとり2役で、自分で自分にインタビューするのでもいい。「なぜ夢を実現できたのか?」「何が支えになった?」「何が大変だった?」など、なるべく根掘り葉掘り聞かれて答えよう。
4.将来の自分を「毎日」イメージして、宣言する
「脳の海馬は、繰り返し同じ情報に接すると、それを必要な情報だと認識します」。つまり、上の3メソッドで未来の記憶のイメージを明確にしたら、それを「毎日」自分に言い聞かせ続けることが大事。その際、ただ思ったりスマホに入力したりするのではなく、「手書き」や「口に出す」ことで、より脳を刺激できる。
□ 毎日、将来のイメージを手書きして 鏡の前でも 自分に向かって宣言
□ パソコンのパスワードを 宣言の言葉にするのも有効!
作家・起業家 プロデューサー

取材・文/臼田正彦(日経WOMAN編集部) 写真/PIXTA