大音量の音楽が流れる暗いスタジオで、バイクや筋トレ、キックボクシングなどをして汗を流す暗闇エクササイズ。暗闇だから周囲を気にせず、一心不乱に集中できるのが大きな魅力で、数年前にアメリカで人気に火が付き、今や日本でも多くの人を虜(とりこ)にしている。その先駆けとして知られるスタジオで、担当する人気プログラムはいつも満席、カリスマ的支持を集めるインストラクターだったのが、永井ローラさんだ。
前編 暗闇ジム・カリスマインストラクター 27歳の新挑戦 ←今回はここ
後編 原点は「ハーフの葛藤」 新しい自分でバズりたい
「MAY Method」インストラクター&パフォーマー

自身と同じ20代はもちろん、年上の会員からの支持も厚く、まだまだこれから、と惜しまれる中、今年の2月末、7年働いたスタジオを辞めた。いったい、どんな理由があったのだろうか?
現場で感じた気づきときっかけ
「組織に縛られずに、新しいことにチャレンジしたくなったから、というのが一番の理由」というローラさん。
「前職のスタジオのメインコンセプトは、運動習慣がない人でも運動できる『場所と機会の提供』でした。より多くの人に運動を楽しんでほしい、という思いは、私も同じ。とても意義があることだと思います。ただ、運動習慣がない人がいきなり運動すると、体を傷めることもある。実際に、会員さんの筋肉や関節への負担を減らして、体を休める必要性や体のメンテナンス法、その人に適した運動法などを伝えられる場を作りたいと思ったんです」
実は、ローラさん自身も、インストラクターになりたての頃、体調を崩したことがあった。そのとき、自身のコンディショニングのためにヨガを習ったり、マッサージなどの施術を受けたりする中で、解剖学についても興味が深まったという。