京都大学に在籍する鈴木七海さんは、「性的同意」の認識を広める活動や、「美」や見た目に関する価値観に疑問を投げかけるプロジェクトの代表として活動している。現役の大学生でありながら、女性を取り巻く社会問題に全力で挑む理由や、その思いを語ってもらった。
学生

「性的同意」の文化を、ポジティブに発信したい
「性的同意」という言葉を聞いたことはあるだろうか? 京都大学に在籍する鈴木さんは、2018年11月から「Genesis(ジェネシス)」という任意団体の学生代表として、性的同意の認識を世の中に広めるべく活動している。
「今の法律では、レイプをされた被害者が抵抗したのか、加害者から脅迫があったのかを証明できないとレイプと認められません。でも本来は、同意のない性行為は全てレイプのはずですよね。恋人同士や、家に泊まる関係であっても、性行為には必ず同意が必要だという文化を広めていきたいんです」
性暴力に関する法律の整備や、高校生のうちから「性的同意」について学校で教えられるよう教育機関に働きかける活動を行っている。
鈴木さんがこの活動に参加したきっかけは、先にGenesisで活動していた友人からの相談だった。
「性的同意について発信すると『そんなこと言っていたらセックスできない』『契約書でも書くの?』と多くのバッシングがあったそうです。友人から『どうしたらうまく伝わるのかな』と相談を受けて、私もアイデアを出すようになりました」
セクハラや性暴力の問題は、どうしても『これをしてはダメ』と禁止する発信になりがちだ。
「なので、『こうやって同意を取って、セックスに誘ってみたらどう?』という提案ベースの発信をするよう心がけています。性的同意の取り方などを、ドラマ仕立ての動画にしてYouTubeで発信しています」