「2W2H」でプレゼン準備の効率アップ
もう少し具体的に確認してみましょう。
まず「基本資料」で目指すゴールは、ターゲットとなる相手に自分の会社のサービスや製品、企画の全体概要を示し、認知してもらうことです。城さんは「一斉に告知したいことをギュッとつめたもの」と説明します。
一方、「戦略資料」とは、ターゲットとなる相手が抱えている個別の課題・ニーズを意識した上で、それに最もフィットする情報を盛り込んだ最適な提案や報告を行うためのものです。いわば交渉を成功させる「決め手」となる資料といえます。
つまり、提案したいサービスや製品、企画の内容をプレゼンの相手が全く把握していないと思われる場合は、原則「基本資料」のみでOK。他方で、前提の部分はしっかり認知されている状態にあり、最終的な採否の検討や競合他社との比較をする段階であれば、「戦略資料」のみで問題ないということになります。
「2種類の資料はいずれも同じように重要です。大切なのは『2W2H』。誰に(Who)、何を(What)、どのくらいの時間(How long)で、どう伝えたいか(How)を明確にすることです。そうすると、おのずと必要な資料やキーになるメッセージがイメージしやすくなり、データの過不足、手戻りも発生しづらくなる。準備の効率アップにつながります。上司からアサインされた作業なのであれば、資料作成に取り掛かる以前に、この『2W2H』をよく確認しておく必要があると思います」
取材・文/加藤藍子(日経doors編集部) 写真/大村洋司