今、頑張るのは10年後の自分のため
中田 実は僕の妻(中田選手と同期で第一線で活躍している浜田亜理沙選手)もボートレーサーなんですけど、度胸があるし僕よりもやる気に満ち溢れている。ボートレースは危険だし、結婚する時に僕は正直仕事を辞めてほしかったのですが、一生懸命仕事をする姿を見ていたら、嫁さんも自分と同じように厳しい訓練を受けてきて今があるんだよなと感じて……。今は、生き方は本人が決めればいいかなと思って応援しています。

古澤 僕も仕事で頑張っている女性を見ると応援したくなります。ただ、仕事をするのであればその仕事に楽しさを見いだしてほしい。やっぱりきついだけでは仕事は続かないし身にも付かない。僕自身、つらい中にも楽しみを見いだす姿勢があったからこそ痛いリハビリを1年かけて乗り越えることができたんだと思っています。レントゲンを見たドクターから「復帰できない可能性がある」と宣告されても、「またまたぁ」って言ってましたもん。困難でも明るくポジティブでいることが活路を見いだすというか、大事なのかなと思っています。実際、明るく頑張っている女性を見ると応援したくなります。女性のボートレーサーも、レース前には走り回ってプロペラの準備をするなどすごく一生懸命。「レースどうでしたか?」なんて聞かれると応援したくなるし、素直な人はやっぱり伸びが違う。そういう人には周りの人たちがたくさんサポートしてくれます。仕事を続けていると人間関係に悩むことも多いと思いますが、大事なのは自分からの歩み寄り。近寄りがたい人にも勇気をもって話しかければ、その後の関係性が大きく変わってくるはず。
中田 僕には師匠がいるんですけど、20代の時にこう言われたんです。「20代にやっていることは30代のため、30代にやっていることは40代のため」って。諦めがちだった僕もこの言葉で大きく変わりました。だからこれを読んでいる働く女性の皆さんも、今すぐ努力が形にならなくても諦めず続けてほしいです。あと僕は、仕事がうまくいっている時こそ考え方や方法を見つめ直した方がいいということを最近学習しました。「これまではこのプロペラでよかったけど、今は合っていない」とか、そんなちょっとのずれに、調子がいい時ほど気がつかないものなんですね。この辺りも、働く女性の参考になれば幸いです。

2.全国24カ所のボートレース場のほか、79カ所あるチケットショップで舟券が買える。テレボート会員になればネットや電話でも購入可能。
3.レース場は広々。圧倒的な解放感の中、間近で選手たちを応援すればエキサイティング!
4.レース以外にもファミリーやカップル、友達同士でも楽しめる施設があるほか、様々なイベントが開催されている。
衣装協力:[古澤さんシューズ]2万2000円/ホーキンス(ABC-MART 03-3476-5448)
取材・文/高村涼子 写真/小林大介