頑張った日々がその人の糧や魅力になる

―― 「私の前には、無限のドアがある。」という言葉には、どんな思いが込められていますか。

こやま たくさんドアがあると思うと、尻込みしてしまうときもあるかもしれないけど、自分で選び取ることが一番楽しい人生なんだということを伝えたかったんです。「女子力」とか、「女の子は若くてかわいいのが一番」みたいな古い価値観がいまだに幅を利かせていて、やっぱりまだ私たち自身も無意識に「女の子はかわいいほうがトク」という価値観にとらわれていますよね。

 でも、そのせいで、本当は頑張りたいけど頑張り切れない人、我慢してしまっている人がいるなら、いったんそういう価値観を壊して、自分が本当にやりたいことをまっさらな気持ちで考えてもいいんじゃない? って。

 振り返れば自分も、髪がボサボサのまま、ネイルも剥がれたまま頑張ってた日々があったんですよね。で、そんな日々を越えたところに、日経DUAL(30~40代共働き向けメディア)や日経ARIA(40~50代大人女性向けメディア)のステージがあるんじゃないかな。

「女子力」とか、「女の子は若くてかわいいのが一番」みたいな古い価値観がいまだに幅を利かせていますよね(こやまさん)
「女子力」とか、「女の子は若くてかわいいのが一番」みたいな古い価値観がいまだに幅を利かせていますよね(こやまさん)

太田 僕の会社にもdoors世代の女性がいるんですけど、本当に一生懸命で、答えはないけれど、取りあえず今、目の前にある壁を一つずつ越えていこうと頑張っていて……。そういう人を見ていると、なんだか愛おしくなってくるんですよね。

 きっと、そうやって頑張った日々が、その人の糧や魅力になっているんじゃないかな、そうなったらいいな、という思いを込めて、日経doorsの主人公を描きました。

 仕事に限らず、何か好きなこととか、熱中できることがあればすてきだと思うんです。例えば「めっちゃ買い物が好きで、お金が全然たまらない」とかでもいいかな、って。

こやま ちょっと、それはどうなんだろう?(笑) でもまぁ、そのために仕事を頑張れるのなら、いいのかもしれませんね。

取材・文/大矢幸世 写真/稲垣純也 取材協力/la billage

こやま淳子(こやまじゅんこ)/太田良(おおたりょう)
コピーライター/映像監督
こやま淳子/太田良 右:太田良さん
1987年東京都生まれ。2013年よりAOI Pro.企画演出部に所属し、テレビCMをはじめ、ミュージックビデオやショートフィルムなどの演出をしている。主な仕事に、三菱電機 霧ヶ峰50周年ムービー「私の人生に吹く風」など。

左:こやま淳子さん
1970年京都府生まれ。コピーライター・クリエイティブディレクター。早稲田大学卒業後コピーライターへ。博報堂などを経て2010年に独立。企業や商品のブランディングの他、コピーライター養成講座講師、広告賞審査員、書籍執筆なども手がける。最近の仕事は、プラン・ジャパン「13歳で結婚。14歳で出産。恋は、まだ知らない。」など。