欲しいのは女子力じゃない 私たちの「働く」徹底討論
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働き方や生き方の多様性は日々加速しています。今回は、慶應義塾大学大学院在籍中でエシカルファッションプランナーの鎌田安里紗さんと、東京大学在籍中でホテルプロデューサーの龍崎翔子さんに、働き方や価値観などを聞きました。
どんなことをしている「仕事」ですか?
「エシカルファッションプランナー」に「ホテルプロデューサー」――。お二人とも、カタカナで表す職業名で活躍されています。具体的にはどんなことをしているのでしょうか。
鎌田 エシカルファッションは、直訳すると「倫理的なファッション」という意味。生産過程において、環境や人、動物に配慮して服を作ることを指しますが、個人的には「自分にとって必要なものを、自分の価値観で選ぶ」という消費の態度もエシカルファッションの一環だと思っています。
仕事としては、講演でエシカルファッションに関する情報を伝えたり、ファッションブランドと一緒に商品の企画販売を行ったり。旅行会社と共同で、洋服の生産地を訪れるツアーなども企画しています。
龍崎 私は「L&G GLOBAL BUSINESS」を経営し、全国5カ所のホテル運営をしています。新規ホテルを立ち上げる際には、毎回、「どういったコンセプト」でというのはもちろん、「社会のどんな所に対して問題提起をするのか」を考え、「世界観」を大切にしながらつくっています。
例えば湯河原に立ち上げた「THE RYOKAN TOKYO YUGAWARA」。豪華な部屋や設備はありませんが、親しい人とのんびり過ごすのにちょうどいい空間です。時代の変化に伴いラグジュアリー化が進み、「温泉=ぜいたく」というイメージが強くなった今、日常に根付いた気軽に行ける温泉旅館が必要だと思ったんです。
自分にとって「働く」とは?
「働く」ことは、何のため? 働くことに対してどんな価値を見いだしている? 働く使命は? お二人はどう捉えているのでしょうか。
龍崎 世界がこうあったらいいな、という自分の価値観を社会に実装していく過程こそが「働く」ということだと思っています。
鎌田 「働くこと」と「生きること」が同義になる感覚はあります。その上で「期待を超える魅力的なお返しをすること」ですね。頂いたお仕事には、相手が思っている以上の面白さを返したいし、「頼んでよかった」と思ってもらえる方法を考えたい。
人ってそれぞれが違う感性を持っていますよね。私は私の感性に責任を持って発信する、一緒に働く人もその人の感性に責任を持って発信する、それが混ざり合ったアウトプットになると面白いな、と思っていて。そうしてお互いに、誰かを巻き込んだり巻き込まれたりしながら、面白いことを一緒にやっていくのがすごく好きなんです。
龍崎 よく分かります。私も、他者は「競争」相手ではなくて、「共創」相手だと。緩くつながって、お互いのいいところを吸収したり、刺激し合ったりして、共創しながら一緒に広がっていくイメージを持っています。
鎌田 生態系みたいなつながりですよね。