本業と副業、育児を両立するスケジュール

 「昼休みなどに副業関連のメールのやり取りなどを多少こなすことはあるものの、平日9時から18時までは、基本は本業に集中します。終業後は子どもを保育園に迎えに行って、夕食や寝かしつけが終わった後の夜2時間ほどで副業。また、週末も『午前中だけ』などと時間を区切って、副業に充てています。その間の子どもの面倒は、夫が見てくれることが多いです」

 子育てを抱えながらパラレルワークを実践できている背景には、本業の職場の雰囲気に助けられているところも大きいそう。

 「社員5人の小さな組織で、しかも全員が子育て中。だから、保育園のお迎えに行く時間にはほぼ確実に終業し、『残業しないと引け目を感じる』というようなことが全くないんです」

 「私はもともと働くことが好きなので、副業は『お金を稼ぐ手段』というより『楽しいから』やっているという感覚です。客観的に見ると慌ただしく映るかもしれませんが、私自身の中には充実感しかありません」

 休息の時間も確保できるよう、平日夜に副業をするのは、週3日程度と決めているという岡さん。「働く」と「休む」のバランスを自分なりに調整できるスキルは、パラレルワークを成功に導くためには必須のスキルといえそうです。

 (下)の記事では、そのノウハウをさらに詳しく紹介します。

取材・文/川辺美希 編集/加藤藍子(日経xwoman doors)

下編「副業で初広報 年収2割増&スキル向上 成功の工夫3つ」では、次のストーリーを展開

■副業で異職種を経験して見えたもの
■小さな工夫でも「チリツモ」
■「副業やり過ぎ」を防ぐには?
■楽しく継続するためのマインドセット
■働き方への意識も変えた副業