「目標」が苦しくなるメカニズム

 では、「目標」を定めるに当たっては、どんなことに気を付ければいいのでしょうか。

 「資格を取る」「3キロ痩せる」などの「目標」が目的化してしまうと、「資格を取るために生活を犠牲にして勉強をした結果、日々の喜びを見失ってしまう」「痩せるために無理な食事制限をして、健康を損なってしまう」なんてことが起こります。

 「なんのために自分はこの目標を達成したいのか?」

 「この目標を達成すると何が得られるのか?」

 そこを見失ってしまうと、目標達成は希望のない、苦しい道のりになってしまいます。逆に、目的を常に意識することで、目標達成のプロセスを希望に満ちたものにすることもできるのです。

 「目標」を設定するときには、本来の「目的」を忘れてしまわないよう、できる限り「目的」を具体的にイメージしておくことがとても大切です。

 そんなときにまずは自分に問いかけたいのが「死ぬときに、どんな人生だった、と惜しんでもらいたいだろう?」という質問。

 例えば、「優しい人だった」「周りにエネルギーを与える人だった」「社会を変えた人だった」などが出てくるかもしれません。人生を振り返って、成し遂げていたいこと。こんな人だったと思い出してもらいたい姿。それが人生の最終的な「目的」になります。

 これを具体的にイメージするため、「優しいって何?」「エネルギーを与えるってどういうこと?」「社会を変えるってどんなふうに?」などと、目的を「具体化」させていきます。