マネをするのは「自分のもの」にできることだけ

LiLiCo 赤いリップは、メイクアップアーティストのピカ子さんのアドバイスです。顔の全部のパーツに力を入れてメイクをしていた私を見て、「赤いリップにすれば唇に注目が集まって、(コンプレックスに感じている)他のパーツには目がいかなくなるから」と教えてくれたんです。そしてこの赤いリップがLiLiCoのイメージにも合っていて、メイクを変えてから仕事も増えたんですよね。

 髪形は、米国の女優、サルマ・ハエックを参考にしました。彼女がカールのロングヘアだったときに、「すてきな髪形だな」と思ってマネをしたんです。

―― 人からのアドバイスや、芸能人のいいなと思った要素も積極的に取り入れて、自分をつくっていくんですね。

LiLiCo そうですね。ただ、取り入れるのは「自分に似合うものだけ」です。なぜかというと、たとえ私がサルマ・ハエックの髪形をマネしても、私はサルマ・ハエックにはなれないから。私はLiLiCoでしかないので、「自分に似合うもの」だけ――つまり「自分のもの」にできるものだけを取り入れます

 たまに「LiLiCoさんみたいになりたいです」と言ってくれる優しい人もいるのですが、そういう人には、「まずはあなた自身を大切にしてください。あなたは私にはなれないから」と伝えたい。

 もちろん、マネしてくれるのはうれしいです。でも、それはあくまでも、「その人に似合うなら」の話。コンプレックスが強くなるあまり、別の誰かになりたいと思う人もいるかもしれませんが、どんなに願っても、自分以外の誰かにはなれません。だから容姿やスタイルなどにコンプレックスがあるなら、まずは自分を研究して、自分の魅力を引き出せる工夫をしてみるといい。そうすれば、コンプレックスにとらわれることも少なくなると思います。

パーツを見れば、自分の好きなところに気づける

LiLiCo そして自分の容姿が嫌いという人は、こんな方法も試してみて。

 まず紙に、目、鼻、口、眉毛、まつげ、髪、爪、手、腕、首…といった体のパーツを書き出して、次に、それぞれのパーツの横に、「+」と「-」を書いていきます。そのパーツのことが嫌いなら「-」、悪くない・好きだと思えるなら「+」。私の場合なら、目は大きくて好きだから「+」、鼻は嫌いだから「-」、口は褒められたことがあるから「+」……という感じになります。

 普段は「自分の顔が嫌い」「スタイルが嫌い」と思っていても、顔や体の各パーツごとに「+」と「-」を書いていくと、実は嫌いな部分だけじゃなくて、好きな部分も多いことに気づけるんです。

 これは私がスウェーデンで暮らしていた子どもの頃に、雑誌で見た方法。何の雑誌だったかは記憶にないんですが、この記事の内容だけは覚えていて。私も小さい頃からコンプレックスはあったけれど、これを試したことで、「嫌いな部分ばかりじゃなくて、気に入っている部分もある」と気づけたから、すごく印象に残っています。