妊娠後は「こんなの学校で教わらなかった!」の連続

 「こんなの学校で教わらなかったよ!」という経験も多々ありました。

 例えば妊娠中、首元に「ほくろの大群」ができたり、昼夜問わずひどい眠気に襲われたり、第3の乳首(妊娠して乳腺が発達することで、脇の下やろっ骨辺りに現れることがある「副乳」)ができたり……。「こうしたことって、みんなはいったい、いつどこで学ぶんだろう? 知らないのは私だけ?」――と思うような変化が次から次に起き、まるで自分の体が「未知なる宇宙」のようでした。

 実は、私はずっと「妊娠は自分が希望すればできるもの」と、のんきに考えていたので、もっと早く知っておけばよかったと思うこともありました。

 私が妊娠に対して真剣に焦り始めたのは2018年、33歳のとき。そろそろ子どもが欲しいと思って、お付き合いしていた彼を区役所まで連れていき、事実婚の手続きをして妊活を始めました。でもすぐには妊娠できなかったし、当時は自分の生理周期すら把握できていなかったんです。「妊婦になったら歯の治療ができない」と聞いて歯医者さんには行っていたのに婦人科には行っていなくて。当たり前のことですが、まずは婦人科に行くべきでした。そんな初歩的なことすら、頭から抜けていました。

 妊娠後は、妊婦が仕事を続けることの大変さを知りました。飛行機を使った移動は難しく、出張を諦めた仕事もいくつかあり、スケジュールがスカスカになってしまったことも。

 この本(新著『子供がずっと欲しかった 事実婚妻が体験した妊娠・出産のこと、全部。』)にはこんなふうに、私の等身大の気づきを詰め込みました。「これから妊娠するかもしれない」「今、妊娠中でこれからどうなるか知りたい」「仕事と妊娠の両立に、漠然とした不安がある」という皆さんや、妊娠している人を支えるパートナーの皆さんに役立てていただきたいと心から思っています。

※ 次回以降、はあちゅうさんの考える「夫婦の在り方」「家事・育児分担のホントのところ」「なぜ事実婚したか」などについて、本音で語ってもらいます。お楽しみに!

取材・文/小田舞子(日経doors編集部)、橋本 岬 取材日/2020年4月15日