チームづくりは尊敬できるメンバーをスカウト
リサーチ結果を基に、「3D smart & try」プロジェクトの企画を上司に提案すると、すぐに経営会議にかけようと言っていただけて、プロジェクト化されました。とはいえ、私は育休明けから間もなく、周りに頼らなければ実現できない状況。いいメンバーに助けてもらうことができれば、プロジェクトはきっと成功すると思いました。
そこで、プロジェクトメンバーは全社を横断する形で、それぞれの専門性をもつ企画や販売、人間科学研究所など、これまでのキャリアで接点があり、信頼できる部門に参加をお願いしたんです。また、実行フェーズでは、公募という形で自ら手を挙げてきてくれる人を募ることでチームを強化しました。一緒にチームを組みたいのは、自分にないものを持っていて弱みを補ってくれる人。尊敬できる人であること、そして「この人となら今までにないものをつくれそう」という直感も大事にしています。
私が、現在の部門メンバーや プロジェクトなどのチームづくりをするときは、一緒に働きたいと思う人に、「あなたは○○の理由で、このプロジェクトに必要な人材だ」と直接口説くことが多いです。目指すゴールとその人の強み、私が必要としているスキルを具体的に伝えるためです。メンバー全員が自分はチームに必要な人材だと自覚し、その人の得意分野で活躍してもらい、適性の高い仕事をしてもらうことにも心を配っています。
後編では、篠塚さんがこれまでに直面した壁とキャリアアップに生きた経験を紹介します。
ワコール イノベーション戦略室 開発部長/シニアフェロー

文/川辺美希 取材・構成/加藤京子(日経xwoman doors) 写真/鈴木愛子