コントロールしようとすると、苦しくなる

 嫉妬心は、「あの人は自分より恵まれている、優れている」という気付きから生まれてきますが、これは自らを奮い立たせるエネルギー源にもなります。エネルギー源を無理に押さえつけようとしなければ、「もっと頑張ろう」という前向きなマインドを呼び覚ましてくれる可能性を持っているのです。

 しかし「嫉妬するなんていけないことだ」「こんな気持ちを絶対に相手に知られてはならない」などと感情をコントロールしようとするほど、自分を責める気持ちまで強くなり、嫉妬心が自身をむしばむ「劣等コンプレックス」に変わってしまいます。

 これはちょっと苦しい事態です。自分がありたい姿に向かって、行動することができなくなってしまいます。

自分を楽にするシンプルな声掛け

 「嫉妬するのは自然なこと」と考え、特定の相手を羨ましく思っている自分を認めてあげることがまず大切です。

 人は誰でも、自分と他人を比較しながら生きています。そしてその気持ちは、必ずしも周囲に害を及ぼすものではありません。「羨ましいな!」と感じたらそのまま伝えていいし、逆に「悔し過ぎるぜ!」と渋い顔をしながらSNSの「いいね」を押してもいいんです。

 「嫉妬してOK」「嫉妬してもいいし、嫉妬しなくてもいい」。自分自身に対して、こんな声掛けをしてみるのもお勧めです。心の中で唱えるだけでも効果が見込めますが、実際に声に出してみると一層心に響きますよ。自分を許してあげられたら、気持ちがずいぶん軽くなるはずです。