この連載では、30歳の社会保険労務士・ふーみん先生こと細川芙美さんが、20~30代の働く女性が知っておきたい情報をお伝えしています。今回のテーマは、2020年4月から導入された「同一労働同一賃金」です。
友人・ミホの家でDVDを見ながらおしゃべりをしていたときのことです。ミホは契約社員として働いています。憧れだった職種に就き、フルタイムでやりがいのある仕事を任されていていつも楽しそう。けれどもそんなミホには最近気になることがあるようです。
ミホ 契約社員での採用しかなかったからしょうがないけど、正社員の人と同じ仕事をしているのに、給料は正社員ほどもらえないのは納得いかないときがあるんだ。
ふーみん 確かに。仕事がどんなに楽しくても、やる気がなくなっちゃうよね。しかも、それって同一労働同一賃金に違反してるかも。
ミホ え! そっか。同一労働同一賃金ってテレビとかで聞くようになったけど、実際どういうことなの?
ふーみん 簡単にいうと「同じ仕事をするなら、雇用形態にかかわらず同じ賃金を払いましょう」ってことかな。
ミホ 私、正社員と同じ仕事してるよ~! 詳しく教えてほしいな。

同一労働同一賃金とは
コロナ禍の真っただ中、2020年4月1日から、パートタイム・有期雇用労働法、労働者派遣法の改正により、同一労働同一賃金が始まりました(中小企業は1年遅れて2021年4月1から適用されます)。
同一労働同一賃金とは文字通り「同じ仕事をするなら、同じ待遇にしましょう」ということです。
もう少し詳しく説明すると、同じ企業で働く正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、基本給や賞与、手当などあらゆる待遇について、不合理な差を設けることを禁止するものです。
正規雇用労働者とは、正社員のことです。非正規雇用労働者(以下、非正規社員)とは、パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者を指します。
また、今回の法改正では、正社員同士での待遇差については触れられていません。つまり、総合職と一般職・地域職との差などは現行では問題とされません。