受診のタイミングは生理中でも生理前後でもOK

 こうした思い込みをしてしまう要因の一つとして、約8割の人が「生理の不快症状に対する対処法を学んだことがない」と答えている点が挙げられます。学校や家庭で、生理でつらいときはどうしたらいいのか、対処しないとどんな影響があるのかなどについて、女性たちが知識を得る機会がほぼないため、適切な対処行動がとれずにいると考えられます。

 なお、受診をしない理由としては、「受診すべきタイミングがわからない」という人も22.2%いました。「出血している月経中に受診していいのか」「症状が治まった月経後に受診していいのか」と、2つの側面で迷う人がいるようです。高尾さんは「受診のタイミングは、症状が出ている月経中でも症状が治まった後でも構わない。どのタイミングでも問題ないので、相談に来てほしい」と話します。

 さて、婦人科では生理の不快症状に対してどんな治療をするのでしょう。選択肢は、低用量ピル(LEP)※3や黄体ホルモンなどのホルモン剤、鎮痛剤、漢方薬、そして精神症状に使う抗うつ薬などの向精神薬の4つに分かれます。調査の結果、最も多く使われているのは低用量ピルで、この薬を処方された人の約3割は症状が出なくなった(5段階で最高の5点)と答え、症状の軽減を実感する人が多いこともわかりました。

※3 低用量ピルにはLEPと呼ばれる月経困難症治療薬(保険適用)とOCと呼ばれる経口避妊薬(自費診療)があり、生理の不快症状の治療にはLEPが使われます。