若いころ、痛みと経血の多さに悩んでいたバービーさん
第2部では、フォーリンラブのバービーさんが加わって、働く女性の生理に関するトークで盛り上がりました。


お笑い芸人。北海道出身。2007年、相方のハジメとお笑いコンビ「フォーリンラブ」を結成。TBS「ひるおび!」のコメンテーターや、TBSラジオ「バービーとおしんり研究所」のパーソナリティを務めるほか、生まれ故郷の町おこしにも尽力。YouTube「バービーちゃんねる」では、最新美容や性についてのトピックが話題となり、現在の登録者数は25万人を超える。またFRaU WEBにて連載中のエッセイをまとめた著書「本音の置き場所」(講談社)を出版。自らプロデュースしたピーチ・ジョンとのコラボ下着の発売や、双方向コミュニケーション型ECサイト「◯バ(仮)」にてシルエットをキレイに見せる太ベルトの発売を開始するなど、多岐にわたり活動の幅を広げている。
バービー 生理の悩みごとは、昔はかなりありました。生理前1週間は頭がぼんやりとして、思考が回らず、多汗やむくみもあって。あるときなんて、ボーッとしてゴミを冷凍庫に入れて凍らせていたことも(笑)。生理中の痛みはひどくて、痛み止めの座薬を使わざるを得ないくらい。生理の4日間は、吸水ショーツに夜用ナプキン、多い日用のタンポンを併用しても漏れるほどの経血量がありました。そのため、若いころから、体を温めたり、鍼灸をしたりと、いろんなことを試し、一か月工夫をしながら過ごしています。
そもそも、私は自分で自分の体の状態を把握していたいので、不調があるとすぐに病院に行く習慣があります。だから20代のころから婦人科に行っています。私は情報を積極的に取りに行きたいタイプで、レディースクリニックマニアと言ってもいいくらい(笑)。婦人科に行ったことで、重い生理痛の原因がわかったし、症状をやわらげる方法を行うことができました。
高尾 バービーさんのように、生理の症状が重い場合、特に30代以降は背後に病気が隠れている可能性が高く、年代が上がるごとに病気の可能性が高くなります。生理痛の原因は、詳しい検査を受けないとわからないものが多く、子宮内膜症など、診断までに時間がかかる病気もあります。ですから、生理の不調を感じたらまずは婦人科を受診してほしいです。その不調が何らかの病気によって起こっているか、いないかを検査することが大切です。痛みが強い場合は、子宮内膜症、出血量が多い場合は、子宮筋腫、出血量が多く、痛みもつらい場合には子宮腺筋症という病気である可能性があります。
「自分の体は主体的に管理していい」と思ってほしい
若いころから、主体的に生理の不調に対処してきたバービーさん。ではバービーさんの周囲の女性たちはどうなのでしょう?
バービー 仕事仲間と生理の話はするけど、周りの女性たちを見ていても、アクティブに生理を乗り切ろうという、情報を取りにいこうという人は少ないです。タンポンさえ使うことに抵抗感のある人も少なくないかな。私の肌感覚ですが、生理について、自分の体を主体的に管理していいと思っている人は、まだ少ないと感じます。将来の子どものため、パートナーのためであっても、今の自分が主体ではない人が多いように感じるんです。自分が主体なら、風邪をひいたときに内科を受診するように、生理で不調を感じたら婦人科に行くはずですよね。


女性のための統合ヘルスクリニック イーク表参道副院長
産婦人科専門医・医学博士・婦人科スポーツドクター・働く女性の産業医。ヨガ、アンチエイジング医学、漢方、栄養学、スポーツ医学を多角的に用い女性の心身を様々な角度からサポートする。日本産科婦人科学会専門医、日本体育協会公認スポーツドクター、日本医師会認定産業医 日本抗加齢医学会専門医、日本女性医学学会認定女性ヘルスケア専門医ほか。著書に『心が揺れがちな時代に「私は私」で生きるには』ほか多数。
高尾 日本は我慢が美徳の文化だし、生理痛やPMSなどの不調は、そのときをやり過ごせばなんとかなる、我慢すればいいというふうになりがちで誰かに頼るほどではないと思っているのかもしれません。でも、自分で不調のない生活を選択してほしいし、婦人科を頼ってほしいです。
バービー 私はYouTubeで生理についての情報を発信しているのですが、YouTubeを見てくれた人から、婦人科に勇気を出して行ったらがんが見つかった、というコメントがありました。単なる生理痛や生理不順だけでない婦人科の疾患もたくさんあります。だから不調があるなら、自分のために、受診してほしいです。
高尾 早く見つかると、治療も選択肢が増えます。病院に行くべき症状の見分け方の目安は? とよく聞かれます。たとえば、“前月の生理より調子が悪い”“これまでの痛み止めが効かなくなった”“1回の生理で3日以上痛み止めを服用した”などのときです。でもこれらに当てはまらなくても、自分がつらいと思ったら、自分で判断していいんです。バービーさんは、婦人科に行くことをためらっている人には、どんな言葉をかけますか?
バービー 自分の体に興味を持つのは、大切なことです。それに、体の健康と美しさはイコールだと思うんです。だから健康に不安を感じたら婦人科へ、と言いたいです。