今年の夏に個人事務所を設立し、女優として新たなスタートを切った剛力彩芽さん。2021年1月7日まで公演する舞台『No.9-不滅の旋律-』では、聴力を失いながらも革命的な音楽を次々と生み出した作曲家・ベートーヴェンを支える女性「マリア・シュタイン」を演じています。この舞台に立つ思いや、演じることの魅力などを語った上編に続き、今回はコロナ禍で感じたことや新たな挑戦、今後の目標などについて聞きました。
(上)剛力彩芽 再演の舞台には2年分の経験が生きている
(下)剛力彩芽 個人事務所でスタート、服作りにも挑戦 ←今回はここ

これまでの出演作を見直した自粛期間中
日経doors編集部(以下、――) 今年1年を振り返ってみて、どうでしたか? コロナ禍によりお仕事にも影響があったのではないでしょうか?
剛力彩芽さん(以下、剛力) 「まさかこんな年になるなんて」という、誰も予測できなかった1年でしたよね。緊急事態宣言後の外出自粛中は、仕事もストップした状態だったので、4月と5月はぽっかりと穴が開いたような空白の時間に感じます。
自粛中は、家でよくジグソーパズルをしていました。最初は1000ピースから始めて、次は4000ピースのパズルも完成させました。絵柄はどちらもディズニーの名作映画のキャラクター。ジグソーパズルをすると、雑念が吹き飛んでいい意味で「無」になれるので、頭の中がすっきりするんです。だから昔からジグソーパズルは好きですね。
あとは、自分の出演作の見直しもしました。思いがけず時間ができたことで、改めて自分がどんなお芝居をしていたのかを見たいと思ったんです。まとめて振り返ったのは初めてだったのですが、やはり恥ずかしかったですね(笑)。作品はどれも素晴らしいのに、「なんで私はこの場面でこんな表情をしているんだろう」「今だったらこういうお芝居はしないな」と思うところもあり、勉強になりました。