前編では、今回は20代女性の「このままこの会社にとどまっていいいのか」という悩みについて、キャリアコーチのずんずんさんに回答いただきました。後編では、引き続き「転職を考えていると相談したとき、遠回しに引きとめられてしまった」悩みへの回答と、次のステップである「転職した会社でうまくやっていくためのコツ」も聞きました。
【前編】今の会社にいていい? 不安への向き合い方
【後編】キャリアコーチずんずん 転職への迷いどう決断?←今ココ

ずんずんさん
キャリア&人間関係コーチ。元外資系OL。新卒で埼玉県にある日系メーカーに就職後、外資系投資銀行に転職、その後シンガポールに渡り、世界的IT系企業に勤務。近著に『ニュー・エリート 新時代に求められる「キャリアサバイバル」』 (KADOKAWA)。
転職経験ある人の助言は聞いてみる価値あり
それが転職経験のある人の言葉なら、参考にしてもいいと思います。けれど、転職経験のない人の言葉だったら、あまり参考にしなくてもいい。単純に相手のひがみや、ねたみの可能性もあります。
転職経験があり、同じ場所で働き続けることのしんどさを知っているなら「転職しないほうがいい」だなんて、あまり言わないはず。もちろん、転職経験が多い人ならば、これまでの経験から「他と比べたら、ここはいい会社なのになぁ」と心の底では思っていても、転職を経験して初めて分かることもありますから「挑戦してみたいのなら、やってみるといいよ」と背中を押してくれるでしょう。
ひかりさんに「転職しないほうがいい」と言った人は、40代前半。いわゆる、ロストジェネレーション(ロスジェネ)と呼ばれる世代に当たります。「周りもそうしているから」と、同じ会社で十数年働いている人も多いのではないでしょうか。
けれど、ロスジェネ世代でそれができているということは、ある意味恵まれている人たちなのではと、私は思っています。一つの会社に長くいられるのは、幸せなこと。とても良い会社なのだと思います。ロスジェネ世代は、頻繁に転職せざるを得なかった人も多いです。彼らは、自分の友人や周りの人たちが転職で苦労しているのを見てきたはず。となれば、「うちはいい会社だよね」と思ってしまうのも納得です。
ひかりさんの職場の人たちは、組織のアルゴリズム、いわばその会社や組織でうまくやる方法を習得していて、その通り動いているのかもしれません。組織の中にいるほうが、安心安全ですから、相談者さんが転職しようとするのも、やめたほうがいいよと止めるのです。「この人、転職したことないのに」と、聞き流しておけばよいと思います。