今、輝いているトップランナーにお金と人生、お金と仕事について聞くこの連載。今回登場してもらったのは、ユニークなクラフトビールで人気のヤッホーブルーイング社長の井手直行さんです。前編では、これまで歩んできたキャリアと、お金との付き合い方について聞きました。
前編 ヤッホーブルーイング井手社長 無職の節約旅で自分探し ←今回はここ
後編 ヤッホーブルーイング井手社長 どん底時代に学びに投資
井手直行さんの あのときの1万円
「放浪の旅をしたときに使った生活費」
仕事を辞めて、放浪の旅へ。バイクのガソリン代は1日1000円ぐらい、食費は1日数百円で、これで何カ月持つかなと考えて使っていった。
「放浪の旅をしたときに使った生活費」
仕事を辞めて、放浪の旅へ。バイクのガソリン代は1日1000円ぐらい、食費は1日数百円で、これで何カ月持つかなと考えて使っていった。
転職を経て自分探しの放浪の旅へ
日経doors編集部(以下、――) ヤッホーブルーイングに入社されるまでの経歴がユニークですよね。無職で日本を放浪されていた時期もあると聞きました。学校を卒業後はどんな仕事をされたんですか?
井手直行さん(以下、井手) 高専を卒業後にオーディオ機器の会社に入りました。昔から音楽が好きでオーディオ関係の仕事に就きたかったんですが、実際は、当時会社が力を入れていたコンピューター周辺機器のエンジニアのポジションに配属されて、5年働きました。僕が担当していた機器は世界シェアNo.1で、ちょっと天狗になっていたんでしょうね(笑)。
この会社でいろいろやったし、次はやりたいことやろうと、環境アセスメントの会社に転職しました。ところが、入ってみると実際は泥臭い現場仕事も多く大変で、理想と現実のギャップを感じてわずか半年で辞めてしまいました。
―― その時点で、まだ25歳くらいですよね。その後は何をされたんですか?