○○な私たちは何がヤバいのか?
電車での通勤中や大切な会議中、あるいはリモートワークの作業中…。突然の強い眠気に襲われて困った経験を持つビジネスパーソンは多い。「ちょっと寝不足かな」というくらいで放置していると、何が「ヤバい」のか。睡眠コンサルタントの友野なおさんに聞いた。

「いつ眠くなるか」が問題
日中に眠くなると、仕事や勉強のパフォーマンスが著しく低下する。「集中力を欠いていて大きなミスをしてしまった」「予定していたタスクが終わらなかった」となれば、回り回って心身にさらなる負担がかかるのは必至だ。しっかりと覚醒していたい日中に、眠くなってしまうのはなぜなのか。
友野さんは「同じ日中でも、午前中に眠くなるのか、お昼過ぎに眠くなるのかで原因やリスクの度合いが異なります」と語る。特に注意すべきは、午前中の眠気。リモートワークを取り入れている職場では、光景として目にすることも少なくなったかもしれないが、朝の通勤電車で「椅子に座れた途端に爆睡している」「吊り革にぶらさがるようにして居眠りしてしまう」といった人は黄色信号だ。
「午前中は本来なら頭がクリアで、発想力や創造力を発揮しやすく、パフォーマンスが最も上がるはずの時間帯。そこでウトウトしたり、眠気で頭がボーッとしたりしている人は、睡眠の質や量、あるいはその両方に問題を抱えている可能性が高いです」(友野さん)
では、自分の睡眠の状態を把握するにはどうしたらいいのか。友野さんによると、個人差はあるものの、20~30代読者が必要な1日当たりの睡眠時間は、平均7~9時間だ。まずは「7時間睡眠」を確保できているか、振り返ってみよう。
7時間以上確保できていない場合は、まず「量」が足りていない。一方、時間は足りているはずなのに眠い場合は、「質」に問題がありそうだと特定できる。良質な睡眠が取れているかどうかは、以下のチェックリストで確認してほしい。
ちなみに、昼食後の14時前後に眠くなるのは「生理現象なので、睡眠時間が足りているようなら心配ありません」と友野さん。眠気は、「深部体温」(脳を含めた内臓の温度)が下がることで催される。14時前後は一日の中でその温度が著しく低くなる時間帯だ。作業に熱中していたり、オフィスにいて一定の緊張感をたもっていたりすると眠くならないこともあるが、「体のメカニズム上は眠くなってもしかたない」のだという。
とはいえ、自分の意に反して仕事中に強い眠気に襲われるのは困るという声もあるだろう。その対処法についても、2ページ目以降で解説していく。