いつか起業するために20代・30代ですべきこと
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5起業後の逆境に負けない 事業を軌道に乗せるコツ
起業の夢をかなえたとしても、その後の事業を軌道に乗せていくことが大切です。「起業前の準備段階から、最も変化が激しい起業2年後まで」を徹底的にサポートすることで、担当した企業の創業2年後の事業継続率(生存率)が8割以上という実績を維持している起業コンサルタントの金原隆之さん。起業で成功する人・失敗する人の特徴と、事業を発展させるためにやるべきことについて、2回にわたって紹介します。前編では、事業成長の土台づくりに重要な「起業準備」に焦点を当てます。

準備を徹底して、成功率を高める
「起業を成功させるためには、3つのフェーズ(段階)を越える必要がある」という起業コンサルタントの金原隆之さん。
1つ目は、起業する前の準備期間。「起業をして、最初から順調にいくことはめったにありません。事業を興していく上で、想定外の事態や何らかの苦労はあり得るもの。起業後の数年間を意識した準備が成功の鍵を握ります」
2つ目は、起業後の2年間。「最も脱落する人が多い時期です」と金原さんは解説します。
「変化が最も大きなこの時期には、経営者としてもプレーヤーとしてもすべきことが膨大です。特に大切なのは、起業後の半年間。事業を成長させるための市場の開拓や商品・サービスの値決め、収益の仕組みづくりなど、企業の存続に直結する重要な決断が連続します」
3つ目は、起業後3~5年間。「企業としての経営力が問われる段階です。組織体制を強化したり、中長期の経営計画を作成したり、新たな利益を生むために、停滞している事業の改革を行うのもこの時期。過去の事例や実績を基に、販売戦略をさらに練り込む必要があります」(起業後の2年間、起業後3~5年間についての詳細は、後編で紹介します)
新型コロナウイルスの影響が長引き、経済が低迷している一方で、小規模ビジネスを新たに立ち上げる動きが活発になっていると金原さん。
「大学生から、20代・30代のビジネスパーソン、定年間近の方まで、性別を問わず世代も幅広いのが特徴です。本業の延長上での起業に限らず、業種転換のパターンも増えていて、資格や経験が乏しい場合は、『副業から始める』『資格を取る』『フランチャイズを利用する』ことから独立・起業に発展するケースも。本業で固定収入を得ながら、準備を進めて起業をするというリスクヘッジをしている人も少なくありません。副業解禁の動きやテレワークなどの働き方の変化によって人々の意識が変わり、起業のチャンスは広がっています」
「一方で、起業をした数年後には多くの人が倒産・廃業しているという現実にも向き合う覚悟が必要だと思います。起業に正解ルートがないといわれることがありますが、少なくとも『やるべきこと』と『してはいけないこと』は明確です。将来起業を考えている人は、メンタル面に加えて、現実的なリスクや実務的な作業を俯瞰(ふかん)して知っておくことも大切。チャンスが広がっているとはいえ、今までの経験が生かせるような形で独立したほうが事業の生存確率は高まります。準備段階に入るときには、失敗要因をできる限りなくして『生き残る経営者』を目指してください」
次のページから、起業準備に重要な「成功の法則」を詳しく解説していきます!