「好感度」を外さない3つのポイント
では古谷さんは、個性を表現しながらも好感度を得られる装いをどのように実現しているのでしょうか。3つのポイントを教えてもらいました。

仕事服を選ぶ際のポイントとしてよく挙がるのは「TPO=Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)」ですが、それに加えてもう1つの「P=Person(誰と会うか)」も大切にしているという古谷さん。写真を撮るときの構図を検討したり、絵を描くときに色使いを考えたりするように、「自分が現場でどのような役割を果たしていると、全体のバランスが最適か」、ビジュアルで想像してみるそうです。
「例えば、2019年末は『世界ふしぎ発見!』のミステリーハンターとしてイタリア・プーリア地方の旅へ。青い海にまぶしい日差し、そして温かい人々。自然は豊かでありながら、街中は白壁の建物が多い。どうしたらその土地の魅力的な風景や人を引き立てられるかを考えながら、ぱっきりとしたカラーのニットなどを選びました」

2019年11月には、天皇・皇后両陛下の即位パレードの中継取材も担当。セットアップのフォーマルスーツなどは持ち合わせていませんでしたが、濃紺のジャケットと、同素材で統一感を意識した丈長のプリーツスカート、胸元にはブローチを付けて「特別な日」を演出しました。
「ビジネスシーンでは、あまり色を使ったおしゃれができないことも多いと思います。ただ、カラーはモノトーンでも、黒・白の配色バランスや、素材の組み合わせ次第で工夫は可能。例えば、真っ白なシャツの上に、黒や紺のシンプルなセーターを重ねるだけでも、コントラストがはっきりしてかっこいい印象になります。上半身は同じスタイルでも、ボトムスにプリーツスカートなど少しデザインの凝ったものを合わせれば、一気に華やかにもなる。自分なりの『こう見せたい』という意志を、どう忍ばせるかが楽しみどころです」