仕事×結婚×出産の新事実
結婚、出産などライフステージの変化にかかわらずキャリアアップをしていくためには、家事や育児に当事者意識を持って、お互いの人生を尊重し合えるパートナー選びが大切。恋愛・キャリアに関する男女の本音に多数耳を傾け、的確なアドバイスをしてきた人材コンサルティング会社社長の川崎貴子さんに、共働き視点で自分に合った相手の見極め方や妻がワンオペになりがちな男性の特徴を聞いた。

幸せのゴールは、シンデレラ城に行くことではない
「恋愛市場で人気のある男性を射止めることが良い結婚ではなく、人生観や価値観、生活感覚が自分と合う人をパートナーに選ぶことが良い結婚です」と強調するのは、キャリア支援やコンサルティング、結婚コンサルタントなど幅広い分野で活躍している川崎貴子さん。
「夫は仕事、妻は家庭」という家族モデルが根強かった昭和時代は、パートナーの属性が家庭に入る女性の人生に大きな影響を及ぼし、幸せな結婚の条件として、相手の収入、ステータス、安定を重視する人が多かった。しかし、終身雇用が崩壊し、共働き家庭が増えた今、働く女性の結婚観やパートナー選びの視点は変わってきている。
「『そもそも今、私に結婚って必要なの?』と思っている人は結構います。婚活は時間を取られる上に魂をえぐられるような思いをすることも。結婚することで妻に期待されることは多く、足す不安よりも失う不安のほうが強いようです。仕事がライフワークになっている女性にとって、かつての家族モデルと同じような上昇婚を狙うことはストレスになりかねません。結婚することで何を満たしたいかという自分の明確なビジョンを持つことが大切です」
「例えば、オフタイムはノーメイクでお菓子を食べながら自宅でのんびり過ごすのが好きな人が、高収入・高身長で優しく、おいしいレストランに詳しくて、女性慣れもしている人をパートナーに選んだとします。夫の生活スタイルに合わせて、おしゃれできれいな部屋を保ったり、夫が自宅に招いた友人をもてなしたり……息子をハイスペックに育て上げた義母の影まで見えてきませんか? よき妻・よき母の役割を求められる毎日に疲れたという相談もたくさん受けます。結婚生活は、30~50年にもわたる日常生活。自分の日常が幸せになるのは、シンデレラのお城に行くことではありません」
結婚後、「こんなはずじゃなかった」とならない相手はどう見極めたらいいのか? 次のページから、良好な共働き夫婦関係を育めるパートナー選びのポイントとさりげなく探る方法を詳しく聞いていく。