絶対的だった「正社員」ブランドに陰り? 終身雇用の時代は終わり、転職は当たり前、会社に属さない働き方も増えています。それでも、大多数は正社員を目指す現在。その意味は? 正社員の立場を最大限に利用する方法は? さまざまな働き方の実践者や専門家と一緒に考えましょう。
正社員のコスパ
正社員のコスパ
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1藤本あゆみ 「やりたくない」から開ける道もある←今回はココ
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2柴田菜々子 正社員のコスパは10年先を見て考える
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3経沢香保子 コスパより「信頼貯蓄」を考えよう
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4八代尚宏「正社員はやっぱりコスパが高い。でもね」
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5「今」だけでなく、将来の働き方のコスパも考えて
ベンチャー企業を支援する会社Plug and Playでフルタイムの正社員として働きながら、自ら立ち上げた一般社団法人at Will Workの代表理事も務める藤本あゆみさん。ユニークな働き方に、どうやってたどり着いたのでしょうか。
史上最年少女性マネジャー 抜擢からの挫折
新卒で人材サービス会社に入社して、わずか3年目。営業職として活躍していた藤本さんは、所属する部署のチームマネジャーに任命されました。自身の力で積み上げた営業成績を買われての抜擢。「史上最年少の女性マネジャー」という冠付きでもありました。しかし、その半年後のマネジャーサーベイ(評価)では、「部下からボコボコに叩かれる結果に」。思い切って挑んだ初の管理職は「挫折で終わってしまった」と語ります。
「指名されるのが急すぎて『マネジメントとは何か』ということが理解できていなかったんですね。『私はこうすればできたんだから、みんなもこうすればいいでしょ』という態度で、メンバーに接してしまって。それぞれの個性を見極めて、生かすのがマネジャーの大切な仕事なのに」
正社員として働いていると、時に自分のスキルやキャパシティーを上回る仕事が、会社から与えられることがあります。ただ、それが自分を成長させる機会になるのか、「無理難題」とも言えるものなのかということを、本人が判断するのはなかなか難しいものです。