キャリアの「想定外」 どう乗り越える?
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有村理沙さんの人生は、「想定外」の連続。新卒で航空会社のプログラマーとして働き始めるも、努力では突破できない壁に遭遇してキャリアを変更。その後ワーキングホリデーを利用して2年間英国に滞在するが、帰国直前に東日本大震災が起こって就職活動が難航。それでも諦めず、夢だった音楽業界に就職するも会社が倒産し、転職後「キャリアの最高潮」だと思えたときに交通事故で歩行が困難に……。有村さんは、こうした数々の「想定外」を、どのようにして突破してきたのだろうか? リハビリを経て歩けるようになり、現在は起業してPRプロデューサーとして活躍している彼女に、キャリアの壁を乗り越える秘訣を聞いた。
人生初の想定外「努力しても結果が出ない」
新卒で航空会社に入社し、プログラマーとして働いていた有村理沙さん。もともと音楽が好きで、コンサートプロデューサーに憧れはあったものの、「好きなことは仕事にしないほうがいい」という周囲の大人たちのアドバイスを参考にし、プログラマーの道を選んだ。しかし、この選択が人生初の「想定外」につながったという。
「いつか海外で働きたいと思っていたので、グローバルな活躍が期待できるプログラマーを目指したのですが、プログラミングに取り組んでみて初めて、自分には『向いていない』と気づきました。学生時代には努力すれば一定の成果が出せていたのに、プログラミングはどれだけ勉強しても頭に入ってこない。『最大限の努力をしても結果が出ないことがある』と分かって、当時は衝撃でした」
社会人になってすぐに、キャリアの壁にぶつかった有村さん。けれど彼女は、ここで素早く思考を転換。「人には向き・不向きがあり、努力しても結果が出ないことがあるなら、向いていないことに力を注ぐのではなく、今度は『好きなことを仕事にして全力で頑張ってみよう』と思いました」
憧れだったコンサートプロデューサーになることを決意した有村さんは、洋楽が好きだったことと、海外で働く夢をかなえるために、ワーキングホリデーを利用して音楽マーケットが大きい英国に2年間滞在。現地でアパレル販売員をしながら、音楽フェスのスタッフとしても働き、コンサートプロデューサーになるための準備を重ねた。
「接客業が最も会話力が伸びると思ったので、繁華街にあるアパレルショップに履歴書を持参し、面接を受けて採用してもらいました。また英国の音楽フェスにボランティアスタッフとして参加し、運営方法や演出方法なども研究。SNSを使って、日本に向けてライブリポート記事の発信も行っていました。新卒で一度回り道をしたので、『後悔しないように、できることはすべてやろう』と思っていたんです」
こうして全力で2年間を過ごし、帰国した有村さん。帰国後は「就職活動をして音楽業界で仕事をしよう」と考えていたが、ここでも思わぬ壁にぶつかることになった。