ジェンダーのステレオタイプをこえてゆけ
セクシュアルマイノリティーの採用やジェンダーギャップをなくす取り組みを推進している企業は増えてきたが、それを全く意識することなく、さらにそれによって組織力が高まっているチームは、まだ少ないのではないだろうか。

今回、紹介する「トリコ」は、そんな数少ない組織の一つ。LGBTQのスタッフが中心となり、成長し続けているスタートアップ企業だ。同社は肌診断を軸に、その人に合った美容アイテムをカスタマイズ処方する「FUJIMI」(フジミ)を展開。厳選した成分で作った「サプリメント」と「フェイスマスク」を販売している。
2018年に創業し、現在メンバーは14人(女性11人、男性3人)。創業メンバーは、CEO・藤井香那さんとWEBデザイナーの加藤敏美さん、WEBデザイナーの伊藤くれはさんの3人だ。
トリコのメンバーの平均年齢は、25歳。14人中7人がLGBTQで、創業メンバーの伊藤さんと加藤さんもセクシュアルマイノリティーだという。CEOの藤井さんは、「LGBTQメンバーが半数いることが、プロダクトをつくる私たちの大きな強みになっている」と話す。
どのようにしてメンバーが集まり、互いの価値観を共有してきたのか。組織の多様性がプロダクトの成長にどう影響したのか。創業メンバーの2人(藤井さんと加藤さん)に話を聞いた。そこには、セクシュアリティだけでなく、個人の価値観を尊重し合えるフラットな関係性をつくるための秘訣が詰まっていた。