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17年連続で販売数量の落ち込みが続くビール系飲料。若者の「ビール離れ」と言われて久しいが、そんななか、7年連続の売り上げアップと健闘するのがサッポロビールの主力ブランド「サッポロ生ビール黒ラベル」だ。黒ラベルを担当するのは、ブランドマネージャーの齋藤愛子さん。厳しい市場環境のなかで、どのように復調させたのか、その秘訣を聞いた。
ロールモデルがいない 前例のないキャリアに不安
「若者のビール離れ」と聞くようになったが、実際にビール系飲料の販売数量は落ち込んでいる。日本経済新聞の推定によると、国内ビール大手4社のビール系飲料の販売数量は、2021年まで17年連続で下回っている。
そんな中、7年連続で缶商品の売り上げアップを続けているのが、「サッポロ生ビール黒ラベル」だ。ビールから遠ざかりがちな20~30代のミレニアル世代からも支持を得ているという。
2020年から同ブランドのマネージャーを務める齋藤愛子さんも、そんなミレニアル世代の一人。サッポロビール史上女性初で、黒ラベルのブランドマネージャーに就いた。同社を代表するブランドが築き上げてきた流れを受け継ぎつつ、ミレニアル世代だからこその発想で、さまざまな施策をおこなっている。
齋藤さんは、新卒での入社時から「マーケティング一筋」という、ビール業界では珍しいキャリアの持ち主。ビールをはじめとする商品は、主にスーパーやコンビニエンスストア、飲食店などに流通するため、「売られている現場」がどんなものなのかを知っておくことは、仕事をする上で当然有利になる。齋藤さんが入社した当時は、その現場を担当する営業を経験したのち、マーケティングへ異動する人が大半だった。
「会社の上層部や先輩たちから、『営業を経験していないとマーケティングはできない』と言われた訳ではありません。ただ、先輩たちの中で、私のように新卒からマーケティング一筋で何年もキャリアを重ねている人を、見たことがありませんでした。ロールモデルとなる人が誰もおらず、とても不安を感じました」
このあと、齋藤さんは「営業を経験していないゆえの至らなさ」を痛感することになる。そこで新入社員だった齋藤さんがとった行動とは何だったのだろうか。さらに、会社を代表するブランドの若手マネージャーとしてチーム内で心がけていること、同世代だからこそできる「若者から支持されるブランドづくり」への取り組みも聞いた。