全5回で実践 視野が広がるSTEM思考法
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1課題発見から解決まで「科学的な思考」を身に付ける←今回はココ
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2田中彩諭理「困った」から課題発見、解決のための行動は
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3原綾香「好き」が「あったらいいな」の具現化アクション
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4「初心者でもできる事は探せる」入社間もない2人の挑戦
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5米国で鍛錬されたSTEMな社長が伝授 若手に必要な事
「STEM」「STEM人材」……最近よく耳にしますよね。「ステム」と読むわけですが、これって一体、何なんでしょう。STEMは基礎となる科学、技術、工学、数学(Science、Technology、Engineering、Mathematics)の英語の頭文字をつなげた言葉で、今、世界が注目しています。
21世紀はAI(人工知能)が人々の生活に入り込み、社会のあり方を変えてしまうと言われています。AI技術が進み、一部の仕事はAIがとって代わると論じる専門家もいます。私たちの仕事が今後AIの影響を受けることは明白で、今まで通りの発想で仕事していたら、後れを取ってしまうかもしれません。
「STEM的な考え方」を身に付ければ、きっとこれからの変化をしなやかに乗り越えていけるはず……と編集部は考えました。そこで、今月は、万人にとって役立つ「STEM的な考え方」を特集していきます。この特集で紹介していく女性たちは起業家や会社員、経営者とさまざまな肩書を持っていますが、全員がもとからSTEM人材だったわけではありません。「STEM的な思考法」を身に付けて実践した結果、STEMの世界で軽やかに活躍しています。どのような思考プロセスを取ったのか詳しく聞きました。
「STEMなんて文系の私に関係ないな」「今さら学ぶのって遅くない?」と思うなかれ、基礎となるSTEMは、私たちにとって遠い存在ではありません。今日から、順次公開していく特集記事で、すぐにまねできる実践的な思考法を紹介していきます。視野を広げたり、見つけた課題を解決したりするために、今こそSTEM的な考え方を身に付けて仕事に生かしてみてください。
STEM思考法レッスンは、第1章から第5章で構成していきます。第1章は、STEM的思考法の初歩をご紹介します。第2章から読者の皆さんに「演習問題」を出していきます。これを解きながら、STEMの考え方への理解を深めていきましょう。きっとAI時代に生き残れる考え方のベースが身に付くはずです。
⇒身近な問題を数理的・科学的に解決する力 ←今回はココ
第2章 フェムテック起業家 田中彩諭理さん
⇒自分の不便を解決する課題発見力
第3章 ソフトウエアエンジニア 原綾香さん
⇒「好き」が解決への原動力
第4章 プログラミング初心者の会社員 廣田萌さん/片桐菜美さん
⇒先入観を持たず課題解決へ向かう力
第5章 外資系医薬品会社社長 海老原育子さん
⇒誰もが付けられる論理力と表現力
さて、次のページからさっそく始めましょう。第1章のお題はSTEM教育専門家 新井健一さんによる「STEMとは何かを理解する」。さらにこれを手助けとして、近日中に順次公開していく第2~5章を読み進めてみてください。5章まで読んでレッスンがコンプリートします。
今回の日経doors特集では、「STEMな人」を、科学技術を使って課題を発見・設定して、独自に解決法を考え、社会や会社に付加価値をもたらしている人や、STEM分野の人脈、経験、ツールで自らを変革している人と定義します。