全5回で実践 視野が広がるSTEM思考法
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1課題発見から解決まで「科学的な思考」を身に付ける
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2田中彩諭理「困った」から課題発見、解決のための行動は
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3原綾香「好き」が「あったらいいな」の具現化アクション
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4「初心者でもできる事は探せる」入社間もない2人の挑戦←今回はココ
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5米国で鍛錬されたSTEMな社長が伝授 若手に必要な事
「STEM思考法」特集で既に取り上げた2人は、起業家とITプロフェッショナルの立場で、課題発見と実行の面から極めて高いパフォーマンスを上げていました。今回は、新卒間もない、これから経験を積んでいく若い会社員を取り上げます。
知識も経験もまるでなかったSTEMへの道――システムエンジニア(SE)――を選んだ2人は、自分なりの課題を発見し実行、そして次の課題発見へと、自信と達成感を深めています。
2人はなぜ、土地勘のなかったプログラミングの道に入り、SEになろうと思ったのか、そしてどのようにしてプログラミングの専門知識を身に付け、仕事に取り組んでいるのか。STEMへの最初の入り口にいる2人の思考法と行動を通して、課題解決に役立つ考え方を学びましょう。
「文系あるいは文系寄りの学部を卒業したから、STEMとは関係ない」。そう思う人を勇気づけてくれる、テクノロジー分野で活躍する若い会社員がいる。廣田萌さんと片桐菜美さんの2人だ。Web開発を手掛けるSEとして、現在はNTTグループ会社のプロジェクトに参加している。
社会人経験がまだ浅い人が「STEM的思考」を獲得するためには、ずばり「課題解決プロセス」を小さなレベルで回すこと(第1回記事 課題発見から解決まで「科学的な思考」を身に付ける)。業務をこなす中でよく周りを観察し、自分にできることを見つけ、「課題発見→手順・実行→解決・新たな課題発見」のプロセスを踏んで成功体験を積んでいくと、次第に難易度の高いチャレンジができるようになっていく。
廣田さんと片桐さんは、プログラミング知識がゼロの状態で、新卒で技術人材サービス会社のテクノプロに入社。同社が提供する技術研修を受け、その後現在のプロジェクトへ派遣された。Webサイト「goo」などの機能向上のための開発チームに所属して、ツール作成などを通してプログラミングのスキルを磨いている。
2人は入社直後の研修時点から、プログラミングのスキルを持っていた同期と比べて戸惑ったり落ち込んだりしたというが、今は「SEを職業に選んでよかった」と口をそろえる。
知識やスキルがないことを認識
「私にはプログラミングの知識やスキルがない」と認識したのが、課題発見の第一歩。そのため、内定時から準備を始める。廣田さんは「入社が決まった年の秋に、テクノプロが提供する約2時間の研修を週2回ほど受けていました」と言い、片桐さんは「プログラミング言語の1つであるJavaとC言語についての入門書籍を買いました」と振り返る。ところが独学はあまりはかどらないまま、入社を迎えた。
座学の研修や読書だけでは、計画したようにスキルが身に付かないと知ってどうしたか。ここからの「解決法を探す」の段階でそれぞれのやり方があった。