withコロナ時代に必要なスキルとは?
日本では珍しいファミリー財団として2016年に設立された「村上財団」。代表理事を務めるのは、創設者で投資家の村上世彰氏の長女、村上絢さん。これまでもNPO法人などと連携し、寄付を通じたさまざまな社会貢献活動に力を注いできた村上絢さんに、グローバル視点で求められるwithコロナ時代に必要なスキルについて聞いた。
数億円のマッチング寄付などで支援
さまざまな慈善活動をしてきた村上財団は新型コロナウイルス対策でも、多くの支援策を打ち出している。財団の支援活動をけん引しているのが、代表理事の村上絢さん(32歳)だ。
現在、NPO法人などと組んで10以上のコロナ支援プロジェクトを動かし、その支援金額は数億円になる。支援規模の大きなものとしては、5000万円分の医療物資を医療機関や福祉関連施設などに届けるプロジェクトなどがある。さらに、コロナ支援の第2フェーズとして、東京大学先端科学技術研究センターなどに新型コロナ抗体大量測定実現のための検査費用の寄付や医療機関への検査機器などの寄贈も進めている。

いずれも一般から寄せられた寄付と同額を村上財団が寄付する「マッチング寄付」というのも特徴だ。「私たちが直接、寄付をするのではなくマッチング寄付にすることで、支援への認知を広げる効果があります。また、寄付が倍の金額の寄付になることが動機づけとなり、当事者意識を持ってもらう効果もあります」(村上さん)
新型コロナ対策を次々と打ち出す村上さんからは、「自分が率先して動く」ことへの強い使命感がにじむ。これからは、「コロナと共に生きる」時代となる。社会はさらに大きく変化し、これまでと違う新しいスタイルをいかに柔軟に受け入れるかが求められている。