今こそオンラインで、「本気の学び」
ビジネスパーソンの「独学」は、日々の忙しさに阻まれて継続が難しいのが悩みです。勉強法の達人として、人気漫画『ドラゴン桜2』の監修なども手掛ける現役東大生の西岡壱誠さんに、スマートフォン(スマホ)を活用して効率よく学ぶためのノウハウを教えてもらいました。
スマホは勉強の敵じゃない
現役東大生による団体「東龍門」のメンバーとして、全国の高校生に自身の勉強法を教えたり、人気漫画『ドラゴン桜2』(講談社)の監修を手掛けたりしている西岡壱誠さん。インプットや学びのノウハウに関する著書も多数ありますが、かつては自分に合う勉強法が見つからず、苦しんだといいます。
「高校3年生春の時点で、偏差値は35。そこから一念発起で東大合格を目指しましたが、成績は上がりませんでした。現役、1浪と続けて不合格に。努力が結果に結びつかない理由が分からず、落ち込んでいました」
そこで実践したのが、成績がよい人の勉強の仕方を観察すること。ある日、友人の一人からスマホのアプリを活用していると聞かされ試してみたことが、西岡さんの転機になりました。
「ゲームにハマり過ぎて苦労した時期もあったので、それまではスマホは勉強の敵だと思い込んでいました。でも、半信半疑で友人に教わったアプリを使ってみると、とても自分に合っていた。そこからは自分でも勉強に役立つアプリの研究を始め、他の友達と情報をシェアし合うように。2浪の末、東大合格を果たせたのは、スマホをフル活用して効率的に学ぶことができた結果だと思っています」
とはいえ、ビジネスパーソンと学生では、状況が異なるのでは――。そんな懸念を抱いた人もいるかもしれません。スマホの活用が、学びの時間や機会を確保することが難しいビジネスパーソンにこそ有効な理由を、西岡さんは次のように説明します。
「一人で勉強を続けることに挫折してしまう人は多いと思います。それは、人間は元来怠け者だからです。学校や塾に通っていれば、毎日の時間割が決められて、定期試験や入学試験など『とりあえず』の目標もある。周囲に同じ環境で学ぶ仲間もいる。ところが社会に出てからは、こうした『自分を勉強するよう仕向ける仕組み』を一人で作らなければいけません。スマホを活用すれば、その仕組み作りが一気に楽になるんです」