近年、不妊治療経験を告白する著名人も増えてきた。身近に感じ始めた読者も多い。とはいえ、不妊治療をする6人に1人が離職するというデータもある。「もし自分が不妊治療をすることになったら、何が必要でどう変わるのか」。もしも子どもができなかったら…?という視点も含め、不妊治療とキャリアの両立のリアルを探る特集。
不妊治療とキャリアのリアル
不妊治療とキャリアのリアル
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1不妊治療6人に1人が離職 働きながらの治療、何が必要?
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231歳 人工授精、卵子凍結 「現在不妊治療中」のリアル
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35年で460万円、41歳で不妊治療をやめた、今の幸せ
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4仕事と不妊治療 病院選びのポイントと30代の準備
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5卵子凍結の費用とメリデメ 年齢のリスクとコスパの現実←今回はココ
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6将来不妊で悩まないためにできること 誤解多い基礎知識
卵子の老化が気になり、「卵子凍結」という選択肢に興味のある女性も多いのではないでしょうか。卵子凍結のカウンセリングを行うプリンセスバンク代表の香川則子さんに、「卵子凍結」とはどんな技術で、どれくらいの費用がかかるのか。また、どんなメリット・デメリットがあるのかを聞きました。

卵子のプロ・生殖工学博士の香川則子さんが解説。下編では、「卵子凍結」についてお伝えします
「卵子凍結」って何?
―― 上編「将来不妊で悩まないためにできること 誤解多い基礎知識」では、不妊についての基礎知識と対策を伺いました。下編では、「卵子凍結」という選択肢について教えてください。そもそも「卵子凍結」とは、何をすることなのでしょうか?
香川 生殖医療に従事する立場から言うと、体外受精の応用版です。未婚であっても、女性が1人で体外受精の途中――採卵手術までを先に済ませておくことと言えます。もともとは、病気の治療で生殖機能を失う可能性のある女性を対象に行われていた医療行為ですが、2013年に日本生殖医学会がガイドラインを発表し、健康な独身女性も利用できるようになりました。