テレワーク時代の人間関係を制する!
-
1新・オンラインコミュニケーション術 話し方専門家が伝授
-
2押印なしの契約を実現 渉外職の圧巻オンラインコミュ術
-
3チャット攻略法 1ランク上の使いこなし鉄板ルール7
-
4オンラインでも評価を上げる タイプ別上司アプローチ
-
5部下・後輩とのすれ違いを改善する タイプ別接し方テク←今回はココ
-
6若手社員のコミュニケーションの悩み&すぐできる解決法
テレワークの環境下、時にすれ違いが生じる上司と部下との人間関係。対面でも手を焼くような困ったケースを、物理的な距離のある中でどのように対処したらいいのでしょうか? 後輩・部下を、「やる気」と「自己主張」の2軸で4タイプに分類。それぞれに対するアプローチ法を2人の専門家に聞きました。
「オンラインでも評価を上げる タイプ別上司アプローチ」
オンラインの特性も生かし、ルールや情報を共有することが大切
テレワーク環境でのマネジメントに頭を悩ませている上司は数知れず。複数の主要メンバーがリーダーの脇を固め、主体的に前に進んでいける場合はいいけれど、連携がうまくいっていないチームや、経験の浅いメンバーが多い部署では、思うように仕事が進まず、管理職にフォローの負担がかかってしまうことも。仕事仲間との心のすれ違いは極力避け、チームの連携や結束を固めていきたいものです。
マネジメント・コンサルタントの芦屋広太さんは、「チームをつくるということは、人を集めて目標やミッションを理解し、日々の作業や企画、行動、意思決定に反映するということ。さまざまな能力や価値観が混在している中で効率的に仕事を行うためには、メンバー全員が日々の行動において同じ価値判断で行動できるようにする必要があります。このために必要となるのが、基本的な仕事のルール。ルールを周知しなければ、部下は自分の判断で好き勝手に行動することになり組織的な力が発揮できません」とアドバイスします。
「人によっては、『部下の頭で考えさせて、失敗はその都度上司が修正。紆余曲折(うよきょくせつ)の結果、成果を上げさせ体で覚えさせることが大事だ』と言う人がいますが、人手が少なく、スピードが要求され、部下の指導時間に余裕がない今の時代には非効率。初期の基礎固めに、仕事の型を体で覚えることは大切です。リーダーに求められることは、各メンバーの能力を見極め、足りない能力を身に付けさせること。マネジメントの概念を発案したピーター・ドラッカーは、『知識をラーン(leaen)し、リラーン(Re-learn)し、アンラーン(Un-learn)することが知識管理の大前提である』と言っていますが、絶えず古いものを捨て、新しい方法を身に付けていくことが、変化の大きい現代は特に必要。テレワークの環境下、新しい概念や技術を伴う仕事の場合、自力で新しい知識を身に付けるには時間がかかります。変化に強いチームこそ、リーダーの思想や仕事のルールをしっかりと共有し、それぞれの個性を生かしながら、同じ方向に向かって進む仕掛けが大切なのです」
人材育成コンサルタントの片桐あいさんは、「相手の気持ちや状況の全体像が見えづらいテレワークですが、1対1の面談には向いています。チーム力向上の必要性を感じるときは、コミュニケーションの質はもちろん、量も意識してすり合わせをするといいでしょう」と言います。
「画面越しなので、リアルでの面談よりも相手との適切な距離が得られますし、相手の目をじっと見る必要もなく、自然な視線を送れます。大切なのは質問のスキル。相手に口を開いてもらうことが大切です。部下にアドバイスをするために、ある程度面談の流れを想定しながら、相手の思考を掘り下げて遡れるような質問をしてみましょう」
きっかけはどんなことですか?/それからどうなったのですか?
<現在>
今、どうなっていますか?/今どうなっていたら満足ですか?
<未来>
どうなりたいですか?/どうなっていたら理想の状態をつくれますか?/そのために何をしますか?
「問題解決であれば過去から未来に聞いていくのが望ましいけれど、理想の状態が描けているのであれば、未来から過去へ聞いていくのでもいいと思います。面談の目的に沿って、事前にいくつかのテーマを設定し共有しておきます。大事なのは相手が準備できる時間を取っておくこと。目的を明確にし、面談時間もコンパクトにすることができますよ」
職場で対応に困る後輩・部下の代表的なキーワードは、集約すると「自己中心的」「自尊心が高い」「好き嫌いが激しい」「受け身」「本心が分からない」「やる気が見られない」など。やる気と自己主張の2軸に分け、部下・後輩を4タイプから攻略法を学べば、ほとんどの悩みが網羅できるはずです。次のページから、それぞれに対する具体的なアプローチ法をアドバイスしてもらいます。