リーダーたちの情報収集術
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分からないことがあれば、ググってみる。SNSで誰かの意見に「いいね!」してみる。それも情報収集の1つではあります。でも、独自の視点で新しい企画を生み出す人は「みんながやっていないこと」をやっている! 女性の悩みに寄り添う課題解決型ビジネスを数多く手がけてきたハヤカワ五味さんに、とっておきのノウハウを教えてもらいました。
価値観を変えるビジネスに挑む
「胸の小さな女性が楽しめるランジェリーがないのはなぜ?」「痩せている女性の体に合うワンピースが少ない」……。19歳で起業して以来、自らの経験から生まれるさまざまな問いを出発点に、「課題解決型」のアパレルブランドを次々に立ち上げたハヤカワ五味さん。2019年、新たに始めたのが、生理にまつわる選択肢を増やすプロジェクト「ILLUMINATE」です。
生理についてオープンに語ること自体がタブー視されがちな社会の価値観を変えようと、新たな生理関連用品の開発、セレクトショップの運営などに力を注いでいます。
生理に関わる事業を始めたきっかけは、通っていた多摩美術大学の同級生から「卒業制作でジェンダーレスなデザインの生理用品を作ったのだが、商品化したい」と相談を受けたこと。意外にもハヤカワさん自身の悩みや辛さではありませんでした。
「生理の症状が軽いほうだったこともあって、個人的には切実な問題として意識したことがあまりなかったんです。でも、相談を受けて周囲のスタッフや友人にヒアリングしたら、生理をネガティブなものとしてとらえる価値観や、対処する選択肢の少なさが基で苦しんでいる人が多いと分かりました。耳を傾ける中で共感するエピソードもあったし、それまで『不調』として強く意識しなかっただけで、自分自身も体調の変化に悩まされた経験はあったことにも気付いた。取り組む価値がある課題だと感じました」
ビジネスの種になる問いやひらめきは、何もないところから突然生まれてくることはありません。世の中で起きている事柄を結び付けて考えたり、自分とは立場の異なる他者の気持ちを想像したりする力が不可欠です。その意味で、「情報収集は仕事をする上での必須スキル」とハヤカワさん。ILLUMINATE立ち上げの発端が同級生の存在だったことが示す通り、「友達も大切な情報源の一つ」と話します。
女性たちの悩みに寄り添うような事業を次々に起こすハヤカワさんの課題設定力。どのような情報収集術に裏付けられているのでしょうか。