キャリアを強くする あの人の、パートナーシップ
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累計10億本超の九州発ロングセラーアイス「ブラックモンブラン」を製造販売する竹下製菓社長・竹下真由さん。夫の雅崇さんは外資系企業勤務時代の元同僚、現在は竹下製菓で副社長を務めている。ジェンダー役割にとらわれないオリジナルの夫婦関係を築き、お互いに力が発揮できるパートナー選びについて話を聞いた。

創業120年以上、佐賀にある老舗製菓会社の一人娘であり、34歳の時に5代目社長となった竹下真由さん。学生の頃から自然と「家業を継ぐ」という将来設計が固まっていた竹下さんは、大学では「やりたいことをしたほうがいい」という親の勧めもあり、興味を持っていたロボット工学を学べる東京工業大学に進学。在学中にロボットコンテスト世界大会出場の夢をかなえ、大学院修士課程の修了後には、外資系大手コンサルティング会社のアクセンチュアに就職した。
「父は卒業後すぐ私が家業に入ることを望んでいましたが、私の考えを話して、しばらく東京で働くことに理解をしてもらいました。当初は日系の企業を目指しており、採用スケジュールが早いアクセンチュアは本命企業の練習として受けたんです。でも内定をいただいた後、『限られた時間で最大限に経験を積むためには、アクセンチュアのほうが理想的』と気づき入社を決めました」
「地元に連れ帰る」パートナー探しの難しさを痛感
東京での就職は、パートナー探しの可能性を広げる目的もあったという。
「高校生の時に、『竹下製菓の娘と付き合う=玉の輿(こし)』と言われたことがありました。実際はそんなわけでもないのに、地元の初対面の人からは色眼鏡で見られがちです。東京で恋愛をすれば、フラットな関係性を築けるだろうと思っていたのですが、大学時代にお付き合いした佐賀出身の人からは、『佐賀に帰るつもりはない』と言われて……(苦笑)。地元に一緒に帰ってくれるパートナー探しは、しっかりと考えて動いていく必要があることを早い段階から悟りましたね」
二人の相性に加えて、人生設計も関わってくるパートナー探し。思い通りに進まないことは承知の上で、「会社を継ぐまでに、できるだけ結婚・出産などの人生のイベントは済ませておきたいと考えていた」と竹下さんは振り返る。
ハードワークと並行して広く婚活を進めた結果、29歳の時に職場の同僚だった雅崇さん(夫)と、約1カ月の交際期間を経て結婚を決めた。竹下製菓の社長就任前には3児に恵まれ、後に夫も副社長として会社経営に参画。思い描いていたライフプランを現実のものにしている。竹下さんはどのように自分にとって理想のパートナーを見つけ出したのだろうか。
次からは、一般的な夫婦の型にとらわれない二人の軌跡とパートナー選びのポイント、得意・不得意を補い合えるパートナーシップの秘訣を詳しく紹介していく。