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大学卒業後、金融業界を中心に20年ほどキャリアを積んだ後、ITソフト大手のアドビへ異業種転職を果たした秋田夏実さん。同社の役員(バイスプレジデント)として活躍する現在に至るまで、どのような学びを実践してきたのか聞いた。

40代半ば、出産翌年の異業種転職
新卒でメガバンクに入社してから約20年間、主に外資系金融機関で働いてきた。アドビに転職したのは40代半ば。3人目の子どもを出産した翌年のことだった。
「ヘッドハンター経由で『金融業界で培ったマーケターとしての知見を、アドビで生かしてもらえないか』と連絡をもらったのですが、一度は断りかけたくらいでした。子ども3人を育てながら未経験のIT業界に転職するというのは、チャレンジング過ぎるのではないかと感じたからです」
ただ、少し考えて「やはり飛び込んでみよう」と思い直した。実は20代のころから、アドビが提供している画像編集ソフト「Photoshop(フォトショップ)」やデザインソフト「illustrator(イラストレーター)」の熱心なユーザーだったからだ。
「私は20代で米国に私費留学し、MBA(経営学修士)を取得した経験があります。その過程で得た英語学習のコツや留学準備のノウハウを、独学でHTMLコードを書いて作成したウェブサイトを通じて発信していた時期があったのです。その際に、アドビのツールをよく使っていました」
以来、日々の業務でも、アドビのツールに親しんできた。マーケティングの専門スキルを、もともと大好きだったプロダクトのために生かせるなんて「またとない機会だ」と心が躍った。
「英語、MBA、ウェブデザイン。これらの『学び』の経験がそろったからこそ、40代半ばにして新しいキャリアが開けました。今の職場や仕事はとても充実しています。私の場合は必ずしも『このスキルを学べばこういうメリットがある』と計算し尽くして自己投資をしてきたわけではありません。十数年以上の長い期間を経て、効果を発揮することもあるのが『学び』の醍醐味だと思います」
日々の業務に不可欠な資格・スキルの取得は別だが、将来の自分に投資することを考えるなら「目先のメリットにとらわれ過ぎないほうがいい」と語る秋田さん。ちょっと意外な感じもするが、どういうことなのだろうか。