2018年度の文化庁調査によると全国16歳以上男女のうち「1カ月に1冊も本を読まない」人は47.3%。一方で「もっと読書したい」と思う人は60.4%も! ビジネスパーソン、政治家など、旬な人から「人生を変えた1冊」を教えてもらいます。
2019年の締めくくりに 『人生を変える1冊』
2019年の締めくくりに 『人生を変える1冊』
年末年始に読んでおきたい本のオススメを紹介する特集。第2回は、doors読者なら知らない人も少ないだろう、プラットホーム「note」などのウェブサービスを運営しているピースオブケイクの加藤貞顕さんだ。起業前は編集者として、毎日3冊以上の本を読んでいたという本好き。そんな加藤さんが選んだ「人生を変えた一冊」は、50年前に亡くなったある女性の日記だった。
「この本、引っ越しをするたびになぜか手放せなくて、26年間我が家の本棚に残っているんですよ」――加藤貞顕さんが取材当日、持ってきてくれたのは、一冊の文庫本『二十歳の原点』。
「独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である」――こんな一節から始まる『二十歳の原点』は、学園紛争が盛んだった1969年、栃木県出身で立命館大学の学生だった高野悦子という一人の女性が、大学2年の20歳の誕生日から、大学3年の20歳6カ月で自殺するまでの学生生活を記した日記です。
自身も20歳の頃に読んだという加藤さんが、26年間この本を手放さなかった理由とは何だったのでしょう。