わたしたちの「働く×産む」特集
2020年春、CEO(最高経営責任者)就任と共に、産休・育休へ入ることを発表したSHEの福田恵里さん。「出産・育児を、キャリアに不利な状況をもたらすものとは捉えたくない」――異例とも映る選択の背景には、そんな思いがあったと振り返る。現在は仕事に復帰し、経営と育児の両立に励む福田さんにインタビューした。
妊娠の時期は「計画通り」だった
女性のためのキャリア&ライフコーチングスクール「SHElikes(シーライクス)」を主要事業として展開するSHE。設立3周年を迎えた2020年、新体制に移行し、それまでCOO(最高執行責任者)として事業をけん引してきた福田さんが代表に就任した。
この時期に産休・育休取得へ――と聞けば、「全く想定外の時期に子どもを授かったのだろう」という印象を持つ人も多いのではないか。
だが、福田さんは現在のパートナーと出会う数年前から「2020年に第1子を産みたい」という希望を持っていた。もちろん、会社の体制変更と重なったのは偶然だが、福田さん自身のライフプランとしては「計画通り」。主体的な選択を積み重ねてきた結果だったのだ。
「子どもを産むか、産まないか。まずそのポイントで価値観が分かれるところですが、私の場合は幼い頃から『いつか母親になりたい』という気持ちが強かった。では、その『いつか』をどこに設定するか。イメージしたら、2020年がいいなと思ったんです」
「東京五輪オリンピック・パラリンピックが開催予定だったこともあり、2020年は世の中の価値観が大きく変わる節目になる予感がしていました。それに加えて、私がちょうど30歳を迎える年でもあったんです。ウンウン悩んで考えたわけではなく、直感的な部分も大きいのですが、できることならその『節目』で子どもを授かって、新しい時代を一緒に生きていけたら楽しそうだな、と」