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昨年秋、初の著書『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(小学館)を出版した岸田奈美さん。かつてはユニバーサルデザインの会社、ミライロに勤める会社員だったが、noteに掲載したエッセーが人気となり、作家として独立。10月には、経済誌「Forbes」が選出する、世界を変える30歳未満のイノベーターのアワード「30 UNDER 30 JAPAN」を受賞した。大活躍の岸田さんに2020年を振り返ってもらいつつ、多忙な中で始めたこととやめたこと、今後の展望などを伺いました。

自分の幸せがどういうものか分からなかった
日経doors編集部(以下、――) ――昨年9月に自伝的エッセー『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』を出版し、作家デビューをされましたね。このエッセーには車椅子ユーザーの母とダウン症の弟、急逝した起業家の父……家族との笑えて泣けるエピソードが綴られています。Forbesの次世代を担うイノベーターを選出する「30 UNDER 30 JAPAN」にも選ばれるなど、大活躍の1年でした。振り返っていかがでしたか?
岸田奈美さん(以下、敬称略) 私にとってすごく思い出深い1年でした。実は、これまで29年間生きてきて、自分にとっての幸せやうれしい状態がどういうものか、よく分からなかったんです。もちろん大好きな家族がいて、楽しいこともたくさんあったけれど、中学生の時に父が突然亡くなり、その後、心臓病の後遺症で母が車椅子生活になって、弟はダウン症で知的障がいがあって。
本当に自分の力ではどうしようもないことに翻弄されつつ、そこに負けないようにと、流れるプールの縁に必死につかまってもがき続けているような状態だったので、自分のために楽しみを追求する余裕がなかった、というのが正直なところです。
作家としてデビューできたこともうれしかったけれど、なにより幸せだったのは、自分の大切な家族について書いたエッセーが多くの人に愛され、みんなと一緒に家族について考えたり、おしゃべりできたりしたことでした。それがものすごく楽しくて、「私の心が求めていたのはこれだったんだな」と実感したんです。
―― コロナ禍でみんなの心が沈むなか、家族との日常をユーモアあふれる文体で綴った岸田さんのエッセーに、「元気をもらった」「心が温かくなった」という声がたくさん挙がっていました。