今回特別に来日していた、Hoooked Zpagettiの生みの親であり、Hoooked 社のヘイシュ・モシース社長と、フィンランドのニットデザイナー、モラ・ミルズさんにお話を伺いました。
来年には新しい糸がお目見え

Hoooked社 代表取締役社長。ポルトガルのアパレル工場を視察した際、大量に裁断余分が廃棄されている「スパゲッティのような」布を目にし、ひらめいたアイディアから「ズパゲッティ(Zpagetti)」が生まれた。リサイクル分野、またトレンドを発信した功績から、数々の賞を受賞
ワークショップでは、社長自ら編み棒を持っていたヘイシュさん。参加者全員に、気さくに、かつ丁寧に教えてくださいました。
「ズパゲッティは、トレンドの洋服の裁断余分。そのため服が発売される前に糸になるので、必然的にトレンドを押さえた糸になります」糸の太さや色、模様が全て違い、一つとして同じものがないのはそのため。
「トレンドの服は量産しませんよね。だからこそ、糸も量産せず、そこに希少価値が生まれるのです」
来年には、デニム素材の糸も発売される予定。編みにくくはないのですか? と質問すると、なんと「糸をソフトにする製造過程に3年費やした」そう。今後もトレンドを押さえた斬新な商品に期待します。
北欧ならではの斬新なデザインがハイセンス

フィンランド編み物界の第一人者で、ニットデザイナー。
黒でまとめたファッションに、真っ赤なネイルがとってもおしゃれなモラさんは、フィンランドのニットデザイナー。彼女の生み出す作品の数々は、配色もさることながら、どれもとてもハイセンスです。私がそれまで思っていた、「編み物」のどこか野暮ったいイメージを覆す斬新なデザインを生み出す彼女。いったい、どこからそのデザインが生まれるのでしょうか。
「アフリカや、エスニック、それから私が生まれた街などからインスピレーションを受けて、それらをミックスしているわ。いつアイデアが降ってきてもいいように、デザインノートを持ち歩いているの」
今回が初来日だというモラさん。日本をイメージしたとき、どんなパターンを思いつくのでしょうか。「古い着物や、刺し子の幾何学模様が美しいと思うわ。それをパターンにしてみたいわね」
現在、本国でデザインブックの出版を予定しているそうで、「そこに載せられたらとても素敵ね」と笑顔で語るモラさん。今後の活躍が楽しみです。
初めてでもひとりで編めるズパゲッティ
ふだん、自宅に帰るとだらだらとスマホを見るか、テレビを見て過ごしていた私でしたが、編み物をしているときは「早く家に帰って編みたい」という欲求が抑えきれず、カバンの中に入れて休憩時間にも編んでいました。それほど編み物には中毒性があります。
また、編んでいる間は無心になれるので、一息入れるときや編み終えたあとは頭の中がすっきりしていたことに驚きました。だらだらスマホがやめたいあなた、「編み物」を始めるとやめることができるかもしれませんよ。
ぜひみなさんも、これから来るお正月休みのお供や、新たな趣味として「編み物」を始めてみませんか。
文/尾崎悠子 写真/小野さやか 編み物監修/高橋百合子(DMC) 撮影協力/湘南T-SITE
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