
こんにちは。ファイナンシャルプランナーの加藤梨里です。
前回記事「仕事で忙しい女性はなぜお金を貯められないのか?」では、働く女性の方からのマネー相談の一例として、忙しい人がお金を貯められない理由とその解決策についてご紹介しました。
第2回の今回は、「貯金があってもなぜか漠然とした不安がある」という人のお悩みについて考えていきたいと思います。
1000万円貯めても不安が募る
ファイナンシャルプランナーとしてたくさんの人の家計を見ていると、なかなかお金を貯められない人がいる一方で、貯めている人はしっかり貯めています。

毎月3万円、5万円などと決めて貯蓄している人、あまり生活費がかからないようにコツコツと倹約に努め、毎月10万円ほどの黒字を続けている人、家計簿をしっかりつけて、支出を管理している人など、概して女性は貯金が上手な印象があります。
そんな貯金上手さんなら、お金の悩みはないものと思いますが、意外にも深いお悩みを抱えていることがよくあります。
それが、「お金を貯めているのに、なぜか不安」というもの。お金があれば、将来のさまざまなライフイベントやもしものアクシデントに備えられるはず、と貯蓄に励んだものの、貯めても貯めても終わりが見えない気がしてしまうというのです。
以前、マネー相談に来た33歳の事務職の女性(Bさん)は、1000万円以上の貯蓄がありました。社会人1年目からコツコツとお金を貯め、10年間でこの金額に達したとのこと。現在の手取り年収は400万円。一人暮らしで家賃や生活費を負担している中でも毎月8万円、ボーナスからは年間30万円ほどを貯める貯蓄上手さんです。
今では年間100万円以上のペースで貯蓄を増やしているBさん。にもかかわらず、不安な気持ちになってしまうのはなぜなのでしょうか?
話を聞いてみると、最初に100万円が貯まったときは、「単純に嬉しかった」とのこと。その後、貯蓄額が300万円、500万円と増えていくと、通帳を記帳するのが楽しみになり、それを貯めるモチベーションにしていたそうです。
ところが、800万円を超えたあたりから、なんとなく漠然とした不安が募るようになっていきました。
「この先、いったいどこまで貯め続ければいいの?」「そもそも、お金があれば、自分の人生は本当に大丈夫なの?」 そんな疑問がわいてきたからです。