声を掛けられたのは「あなただから」
――当時の小西さんと同じように、「大きな試練」に直面している女性たちに、アドバイスをするとしたら?
「私には無理」と足がすくむときや、「やってみたら、やっぱり向いてなかった」とヘコむとき。こういった局面は、思いがけない役割が降ってくることも多い会社員ならではですよね。最近では、管理職のオファーを断る女性も多いと聞きます。
断る理由がやむを得ない事情ならば仕方がありませんが、もし「能力不足」や「自信のなさ」によるものだったら、私は「迷わず受けたらいい」と助言したいと思います。
でも、「失敗をするのが怖い」という不安が先立つ。私もそうでしたから、よく分かります。
そこで、どうして怖いと思うのか、考えてみるんです。恥ずかしいから? 誰かに迷惑を掛けるから? 自分が傷つくのが嫌だから?
確かに失敗を避けて現状維持をするほうが「安全」かもしれません。でも、その安全な箱にいつまでも居続けると、気付いた時には周りはとっくに先に行ってしまっていた、ということは少なからずあるのです。
一度断ってしまうと、同じチャンスは巡ってこなくなるという可能性だってありますよね。「あの人は前もやろうとしなかったから、きっと次もやらないよね」とイメージがついてしまうから。その間に、若くて有望な人たちもどんどん入ってきます。
だから、思い切って飛び込んでみる。たとえ、すぐに成果が出せなくてもいいし、「失敗に終わった」という結果となったとしても、失敗も含めて前に進んだことに変わりはありません。
「失敗は後退ではなく前進」だと私は思っています。その経験の前後では、見えている世界はより広くなっているから。出会う人、日々関わる人の顔には必ず変化があるはずです。
「うまくやらなきゃいけない」と力を入れずに、「私なんか」と小さくならずに、まずは飛び出すことに価値がある。
チャンスをくれた人たちは、あなたの強みも弱みも全部分かった上で、「あなただから」と声を掛けていることに気付いてほしいと思います。
聞き手・文/宮本恵理子 写真/稲垣純也
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