足掛け5年続いている『セーラームーン』リバイバル
ここ3、4年、世間は『セーラームーン』に注目しています。そのきっかけになったのが、2012年に立ち上がった「美少女戦士セーラームーン20周年プロジェクト」。大人向けグッズの新発売やアパレルとのコラボ、リメイクのアニメ制作などが次々と仕掛けられ、セーラームーン世代の「眠っていたセーラームーン熱」が呼び覚まされたのです。
『美少女戦士セーラームーン』シリーズは、1992年から97年まで月刊少女コミック誌「なかよし」で連載、TVアニメも同時期に放映され、日本中の女児が熱狂しました。特に95年頃までは社会現象といえるほどの人気を博し、玩具など関連ビジネスも大いに潤ったので、あらゆる世代に知名度の高い国民的作品と呼んで差し支えないでしょう。
今年4月16日から6月19日まで六本木ヒルズで開催されていた「美少女戦士セーラームーン展」は、大盛況のうちに幕を閉じました。来場者の中心は20代後半から30歳前半の女性。幼少期に『美少女戦士セーラームーン』のアニメやコミックに熱狂した人たち、まさしくセーラームーン世代です。
『セーラームーン』リバイバルは足掛け5年も続いており、いまだに衰える気配を見せません。そのことは『セーラームーン』がいかに深みのある作品であるかを表しています。大人になった今、改めて観直してみると、きっと新たな発見があるでしょう。
次回は、職場で責任ある立場につきはじめたセーラームーン世代の「仕事観」について、考えてみたいと思います。
文/稲田豊史
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