2.相手を信じてみる
信じてもらえないことほど切ないものはありません。
例えば小学生の時、「ちゃんと宿題をやったのに学校へ持って来るのを忘れてしまいました」と申告すると、先生に「やってないから忘れたんでしょう」と決め付けられてしまったり、自分は「していない」と言っているのに、「お前がしたんだろ」と、誰かがしたおならの犯人にされてしまったり……。
疑われ、信じてもらえなかった、と傷ついた当時の私のようにならないためには、まず相手を「疑って入る」のではなく、「信じる」スタンスで入ることしかありません。そう、全肯定スタイルです。
肯定する、信じることから入るとどうなるか? まず、平和的なスタートを切ることができます。
例えば、「となりのトトロ」でトトロに会ったと言うメイちゃんに対して、お姉ちゃんは否定から入りません。「トトロって絵本に出てたトロルのこと?」と尋ね、一緒に探し始めます。しかし見つけられず「嘘じゃないもん!」と泣き出すメイちゃんに、お父さんは「嘘つきだなんて思っていないよ。メイはきっとこの森の主に会ったんだ」と全肯定し、共感から入るのです。
これによってメイちゃんは自分の思いを自信を持って話すことができるようになります。ここでもし、周りが否定や拒絶をしていたら、メイちゃんはもうトトロのことを口に出さなくなってしまったかもしれません。
「相手を信じてみる」。きっと、あなた自身も何かが変わってくるはずです。
3.常にニュートラルな感覚を持とう
本作でイエティはすごく純粋な生き物として描かれていますが、何もかもを信用するわけではありません。当然ながら疑ってくるイエティもいます。
疑われること、疑うことでお互いに防衛本能が働き、どちらも攻撃的になります。そして、疑われたほうよりも疑うほうが強い防衛本能が働くために、本作では主人公・ミーゴが村から追放される悲しい展開に……。よくここで復讐心が生まれなかったなと、ミーゴの純粋さに心が洗われます。
最初から「信用しない」と思って話を聞くと、相手を受け入れたくないと心が拒否しているので話が真っすぐ入ってきません。「すべて信じてあげよう」とまでは言いませんが、せめてニュートラルの状態で話を聞かないと、間違った判断をしてしまう可能性が大きくなってしまうと本作は教えてくれます。
人間ですから、見た目という判断基準や、周りからの情報といった先入観は、ある程度は仕方のないことでしょう。しかし、強い決め付けや思い込みは、あなたの目を曇らせますし、正しい判断の妨げになります。その思い込みが結果として争いを生み、本来得られるものが得られず、最悪の場合、持っているものも失ってしまう――なんてことにもなりかねません。
何事にも「常にニュートラルな感覚を持つ」。生きていく上で、とても大切なことではないでしょうか。
3つの大切さを学べる映画「スモールフット」、ぜひ劇場でご覧ください。
それではまた。映画カタリストのゆうせいでした。
「スモールフット」

配給:ワーナー・ブラザース映画
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文/永井勇成