会話のない一人のアフタヌーンティー、ワイワイできない一人のバーベキュー……。寂しくないのか? 楽しめるのか? 戸惑いながらもやってみたら、普段考えないことを考えている意外な自分に出会いました。非日常の時間がいきなりスタートするソロ活、一人へのハードルは意外に低かったのです。

スイーツ独り占め!一人アフタヌーンティーの至福
9月の平日の昼下がり。
筆者は横浜・みなとみらいのホテル、「ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテル」の2階にあるラウンジ&バー「マリンブルー」にいました。
12時から19時までの時間は、2時間制でアフタヌーンティーが楽しめます。天気はいまひとつだけど、目の前に広がる海を見ながら少しのんびりしようと決めて、やって来ました。
「あのぅ、一人でも大丈夫なんでしょうか」
予約時の電話で恐る恐る聞くと、
「大丈夫ですよ! おひとりさまもいらっしゃいます」との答え。
でも到着してみると、やっぱりここかしこに女子グループの姿。そして意外にも、スーツ姿の男性3人組と、おひとりさま男性も一組いるではないですか。
隣のテーブルには30代らしき女子二人組。なぜか二人とも、ずっとうつむいてスマホをいじっています。テーブルの上のケーキたちはそのまま、ちょっともったいない。
言うまでもなくアフタヌーンティーは、英国発祥のお茶の習慣。サンドイッチやスコーン、ケーキなどが盛られたプレートを前に、優雅な時間を会話とともに楽しむというもの。果たして会話のないソロ・アフタヌーンティーは楽しめるのでしょうか。
注文すると、ほどなくして美しいタワーが運ばれてきました。ドリンクは、コーヒーか紅茶を、ホットでもアイスでもお代わり自由というのも魅力です。


今のシーズンは、「Halloween Afternoon Tea」。下段のプレートにはスコーン(プレーン・紅茶)、フィンガーサンドウィッチ、キッシュ、クロックムッシュ。中段はチョコブラウニー、おばけマカロン、かぼちゃロール、ブラッドオレンジとブドウのゼリー。上段はかぼちゃのモンブラン、赤りんごのムース、紫芋のモンブラン、青りんごのムース、チョコムースのコーン、というラインアップ。
運ばれたスイーツたちを見て「うわぁ、すてき、きれい」と思わず口にした筆者に、トレイを置いたホテルスタッフの方はにっこりほほえんで去っていきました。
さて、これからどうするか。お品書きを見つめていてもすぐに終わる。食べることに集中したら、きっと5分で食べ終わる。ならば、とあらかじめ決めておいたのが「ソロ・アフタヌーンティーを楽しむための10のルール」です。
(2)仕事道具や手帳もテーブルの上に出さない
(3)きょろきょろしない(人が後ろを通っても振り向かない)
(4)周囲の話し声を耳に入れない
(5)必死で食べない
(6)顎を上げてなるべく遠くを見る
(7)ただぼんやりする
(8)家のことも、仕事のことも、カロリーのことも考えない
(9)2時間たっぷり、時間と空間を味わう
(10)大切な人に手紙を書く
そんなルールで味わったアフタヌーンティーは……。